大手新聞社経済部長A氏へのインタビュー
内容です。示唆に富むアドバイスをいただきました。

山見:ネット時代、これからの広報はどんな役割を担っているか?

A氏:ネットは取材する側、される側の双方にとって便利だが、
取材の基本はフェイス・トゥー・フェイスであることを忘れてはいけないと思う。リリースやコメントをホームページにアップしたから、それを見てくれと言うだけでは、広報マンは必要ない。

記者との情報交換にどうネットを活用するかを考え、従来以上に取材する側、される側の意思疎通を向上させるのが、広報の重要な役割だ。

山見:広報担当者に求められる資質とは?

A氏:特別に求められる資質はない。社会人としての常識を備えていれば、あとはそれぞれの方の個性を生かした広報ができると思う。

山見:記者との付合い・コミュニケーションについてのアドバイス

A氏:記者と広報マンの付き合いも、他の取引関係と同様に、一番重要なのは信頼関係。話せないことは話せない、で結構だが、ウソやその場しのぎの言いつくろいは、記者に見破られます。

山見:どのようなプレスリリースが望ましいか?

A氏。伝えたいことを明確に表現してほしい。ただ、記者が知りたいことと、広報マンが伝えたいことにギャップがあることも多い。

その点も含め、完璧なリリースはあり得ないので、問い合わせに応じられる体制をしっかりとってほしい。

山見:プレスリリースはどの形で届くことが望ましいか?

A氏:リリースも含めて、情報発信の基本は、「対面、手渡し」が基本でしょう。

山見:記者にとって、一斉発表と個別取材とは、どのように異なるか?
(情報提供に関する考え)

A氏:記者会見などの一斉発表は受動的。情報発信したい側の働きかけにどう応じ、情報をどう咀嚼して料理するかが記者の腕の見せ所になる。個別取材は能動的。 
自分が問題意識に基づいて情報を求めていく。この点が一番大きな違いだと思う

山見:御社に、情報提供したい場合にはどうしたらよいか?

A氏:経済部でも、取材センター的な役割を果たしている「分室」でもけっこうですから、アクセスしてください。
山見:広報担当者はどんな勉強をしたらよいかについてのアドバイス

A氏:記者が求める情報は幅広い。自らの会社のことばかりでなく、業界全体、さらには社会の傾向全般について勉強されている方がいるとうれしくなります。

山見:企業危機発生時の対応に関するアドバイス

A氏:自社に不利益なものも含めて、情報開示を徹底することだと思います。そうした姿勢が、メディアを味方につけることにつながります。