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    『広報卓越者になる法』   
     今日のテーマ:広く聴け    2008年9月28日(日) NO.6
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「内外の 情報吸い上げスムーズに
 広報・広聴は車の両輪」 

広報の役割には、広く報せる「広報」に加えて、広くきく「広聴」という重要な役割がある。

「きく」には、「聞く」「聴く」「訊く」があり「広聴」はそれを総称している。
「聞く」:自然に聞こえてくる。
「聴く」:意志を持って念入りに聴く。
「訊く」:尋ねる。質問する。
さらには「利く」「効く」:効き目がある。よく動き回る(気が利く)
通用する(顔が利く)

などの意味がある。

相手や状況に応じて、多様な「きき方」を駆使して、価値のある情報入手に励まなければならない。

これからは、資本力「マネー」よりも、独創的な価値「バリュー」の時代である。あるいは力「パワー」よりも知「ナレッジ」での差別化を明確にする必要が出てきた。

社内では、良い、悪いの区別なく有力情報を入手する。また、社外からも同様、記事情報に加え、顧客や一般人あるいはインターネットからの情報もある。
記者からは、他社や業界情報が手に入る。さらに他社記事の表面に現れないニュアンスやその信憑性の確認も期待できる。
また、業界の動きや人事に関して思いがけない情報が入手できる可能性もある。記者は有力な情報源にもなり、アドバイザーにもなるのである。

いろいろな記事から、経済動向・業界動向・他社情報に関する記事を分析し、関連部署に積極的に配信しよう。これも立派な広く聴くだ。

広報と広聴は情報の発信と受信、いわば車の両輪だ。それらの有機的繋がりは広報活動に相乗効果をもたらすものである。
卓越者は、この両輪を円滑に回転させる主軸となる役割である。見えないものを見ようとし、聞こえないものを聴こうとし、「香りを感じる」位にならなければならない。流行語となった「KY」からすると、「空気が読める」位では、卓越者には覚束ない。
サッカーの中村俊介のいう「察知力」がものを言う。空気を読み、香りを感じ、相手の表情や言葉の真の意味をいち早く察知して、それに即した適切かつ臨機応変の対応
を実行に移すことだ。

五千年前からユダヤ人の生活を支えてきた知恵の宝庫、聖典『タルムード』にこう記載されている。

 人間は口が一つ、耳が二つある。
 これは聞く方を倍にしろという
 ことである。

もちろん、「きく」だけでは広報は務まらない。

『荀子』にこうある。

 聞かざるは之れを聞くに若(し)かず。
 之れを聞くは之れを見るに若かず。
 之れを見るは之れを知るに若かず。
 之れを知るは之れを行うに若かず。

つまり、聞かないより聞いた方がよい。聞くより見る方がよい。見るより知る方がよい。しかし、知るよりも実行する方がもっといいのだ! 

卓越者としては、とにかく適切かつタイムリーに実行に移すことを心がけることだ。見聞を広め、多くの知識を得て実行することが、教養ある広報卓越者なのである。