今日のテーマ:多面相になれ     
 2008年9月20日(土) NO.5


多面相 外には会社の顔となり
内では啓蒙リーダー役を・・・。

広報業務には多面的な役割があり、その重要性は次第に増大している。
企業にはビジョン・理念や社是などでその存立目的・意義が明示されているが、社長がその「唱道者」とすれば、広報の達人になり、さらに卓越者を目指す者は、社内外への「伝道師」の役割を担うのである。
社外に対しては「会社の顔」として日々の対応の最前線に立ち、「社会へ開かれた窓」として積極的な情報開示を行う。一方、社内的な役割も重要だ。「経営参謀」としてトップへ助言する立場にある。

また、企業ビジョンは元よりトップの考え方・戦略や社員への期待などを常に社員へ浸透する役割もある。それは企業ビジョンを追求し、経営目標達成への大切な方策である。

近年、米国同様、日本でも情報マネジメントの重要性が認識され、CIO(Chief Information Officer)最高情報責任者を設ける企業が増加しているのはこの表れである。
さらに、企業危機的な状況においては、適切な情報を適切に社会に開示する「防波堤」の役割が重要となる。
また、広報に加えて、広く聴く役割もある。

広報卓越者たらんとする者は、こうした多様な広報の重要性や役割を正しく理解し、トップの分身として、率先してその役割を遂行していかなければならない。その成果が、企業の現在を変革し、未来を建設していくのである。変幻自在、何役もこなすマルチ役者たれ。

「きみはある戯曲において、作者がきみを通して演出しようとする一定の役割の担い手であることを忘れるな。その役が短ければ短い役を、その役が長ければ長い役を、きみは演ずるのである。
作者がきみに貧者の役を演じさせようと望むなら、それを立派に演ずるがよい。それは、役割がちんば、役人、または普通の市民であっても同じである。
なぜというに、きみに当てがわれた役割を立派に演ずることは、きみの仕事であり、それを選ぶのは他人の仕事だからである」
(『幸福論』ヒルティ)