ビジネスの本質とは      


1.広報担当を命ず・まず名刺に名乗る!
 「広報担当です」と差し出す名刺に、そう記載されていないことがよくあります。理由は「いや、兼任なんです」とか「まだ、体制ができていないので・・」というのですが、それだけで、その会社の広報
を重視していない姿勢が判り、あるいはその本質が判っていないことが現れるのです。自分を広報する気がない人に広報は任されません。

まず名刺に入れて会社と自分の決意を世間に表明するのが先決です。顧客の窓口に営業がいるのと同様に、お客様のお客様(記者)との窓口に広報がいるべきなのです。

“まだ未熟なので”は言い訳、即刻その役目を果す気概をもち、上司に「名刺に名前を入れさせてください」と率直に了承を求めましょう。もし、「まだ、そこまでは・・・」とためらう上司がいたら?そこで“笑ってOK”の殺し文句を教えましょう。
「いや、給与をあげていただかなくてもいいのですよ!」というのです。できる上司なら、「そんなに(責任もって)やる気なら、がんばってやってほしい。期待しているよ!」と励ましのことばをかけてくれるに違いありません。さらに、「そのような組織にしてください」とも付け加えるとその夜ご馳走にあずかる幸運も飛びこんで来ることもあります。
そのためには、その決意・熱意を心に秘め、勉強して、一日も早く実務を学び一人前の戦力になることです。

2.ビジネスにおける基本的なサイクル:

ビジネスとは、原材料を仕入れ、付加価値をつけて商品やサービスを作り、売って、代金を回収し、利益を再投資したりあるいは社員の待遇改善や内部留保に使うという一連の流れで成り立つもの。トヨタ自動車でもマイクロソフトでも中小企業でも原理は同じです。
そこで、「価値作り」から「売る」間にある重要なビジネス活動の存在に気づかなければなりません。
行商の焼芋屋の活動を分析してみましょう。まず、芋を仕入れ、焼いて価値を高めて商品にする。そして、一軒一軒訪問販売する一方、街頭では「イシヤキイモ~!」と大声で叫んで、販売を拡大する。この
「叫ぶ」は、多くの人に「報せる」行為です。
つまり、人は「知らないものは決して買えない」「報せなければ買っていただけない」のです。

従って、売る前に必ず「報せる」活動が不可欠。お客様に「広く報せる」こと、つまり「広報」は、まさに「経営」なのです。

お客様が知らない企業は存立し得ないのです。今日のような激しい競合時代のビジネスにおいては、このお客様に適切に報せる能力が顧客を増やす原動力となります。そしてその優劣がライバルとの競争に勝利する基盤となるのです。

ドラッカーは、
「企業の目的は、顧客の創造であり、その維持である。事業が何かを決定するのは顧客である」(『経営の哲学』)と明快で
す。