友情は数限りない大きな美点をもっているが、疑いもなく最大の美点は、良き希望で未来を照らし、魂が力を失い挫けることのないようにする、ということだ。それは、真の友人を見つめる者は、いわば自分の似姿を見つめることになるからだ。それ故、友人は、その場にいなくても現前し、貧しくとも富者に、弱くても壮者になるし、これは更に曰く言い難いことだが、死んでも生きているのだ。というのは古代ローマの哲人キケロ―だ。人を判断する場合は友人を見よ、というのも自分の似姿であるとの言葉から判る。いい友人を持ちたいし、又そうならなければならない。