真に自由な人とは愛を知る人だけである。

なぜなら、愛を知る人のみが、如何なる現象に

出会っても、過去の因縁や既成の事実によって

何一つ制限されぬ能力や傾向のままに、現象に

即して、或いは受容し、或いは評価し、或いは

現象の全価値を残りなく監督するという態度で

対するから、懐疑的な人、理論上の先入見のない

人は、事情が違う。(ジンメル『愛の断層』)

愛を知る人は、他人との内的関係において

自由無碍である・・・世間では似たことが無法者に

のみ見られる。

私達は、どんな場合でも相手に対して何がしかの

愛を感じて対処すると、殆どの場合、巧く善処

できるのではないか? 日々発生する刻々変わる

事態に対処する時、どこかに愛を抱いて如何に

善処できるかにその人の社会的価値がかかっている。