誰の目にも色眼鏡がかかっている。だから自分の色にしか世間は見えないものだ。

「種類の如何を問わず自己の特技を何ものにも妨げられずに発揮できることこそ究極の幸福である」(アリストテレス)。そこで、私たちひとりひとりが自分を大切にし、小さな仕事にもつねに大義を見出し、自分の能力をより高い価値へと振り向けることだ。それがかけがえのない自らの能力へ、自ら果すべき義務であり使命である。それは、PSR(個人の社会的責任)を自ら果すこと。

そのためには、物事をつねに天秤(てんびん)にかけ「計算高い人間」になることである。


ある大まかで度胸の良い男が細かい数字の計算が面倒でならず、いくら税務署でもそれ程細かく人の懐は勘定ができまいとたかをくくって白っぱぐれ、心臓と押しでごまかそうと堂々と出て行った。ところが最後に精密な計算機で隅から隅まで計算され、すっかり脱税を暴露されたという


つねに自らの価値を自らの意志で、より重要な仕事に配分しよう同時に我々には物事を自分勝手な「色眼鏡」で見ていると自覚しなければならない。その色は多種、その度数は多様。自らの天秤と色眼鏡に応じて他人や物事を把握しうるに過ぎない。誰しも自分以上のものの見方はできないのだ。目が見えなければ色が存在しないと同じように、精神は同じレベル以上の精神を持たない人の目には見えない。


その精度向上を図るため、「事象の客観視」を自らに課し、自らの価値と天秤計算力を磨こう。その天秤の中心にある分銅は「人としてのあり方」「倫理道徳」であることを忘れてはならない。そして、目盛の両端は白か黒。答えはつねにその間のどこかにあり、すべてグレーやカラーからの選択であることを自覚しておこう。