誰のする事もなかなか自分の思う様にはならないものだ。人の事にあまり期待しすぎない方が幸せだ。これが自分を高める処世術でもあろう。
そこで、百点が満点なら30点は落第の点数だが、先ず世間の人のしてくれる事は30点でも我慢して及第させ、小言や悪口は先ず言わない様にしよう。そして40点、50点なら大いに誉め、70点、80点なら大満足で激賞する位でも丁度良い。
しかし、自分のやる事は何時も百点満点主義でいくならば、1人でに謙遜になり、人に妬まれず、不平を持たずに無事でいられるのである。
人に優しく己には厳しくというが、勿論実行するには難しい。我々の人生は期待の上に成り立っているとも言え、日々何かを期待して生きているものだ。
・この商談をうまく行かせよう
・あの人に近づこう
・彼女(彼氏)に今日は会いたい
・上司によく思われたい
・与えられた仕事を期待以上に終らせたい
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しかし、兼好曰く「よろずの事は頼むべからず。愚かなる人は、深く物を頼むゆえに、恨み怒ることあり」(『徒然草』)何事もあてにしてはいけない。愚かな人は何事も深く期待し過ぎるから、そのあてが外れた時には失望の余りより恨みの心が強くなり、ひいては怒ることにもなるというのだ。
人には期待せず、自分に期待しよう。
【山見博康】