「平時は紳士たれ、有事は武人たれ」

(元防衛大学校長土田国保氏の卒業生訓示)

初代内閣安全保障室長佐々淳行氏は、これを

「平時はAfter you」(お先にどうぞ)

 有事はFollow me」(我に続け)」

と解釈して判りやすい。

つまり、平時においては目上の人を敬い、

弱者を助け、謙虚に相手の立場を尊重し、常に

「アフター・ユウ」と道を譲るのが洗練された紳士

嗜みである。

背筋をシャッキリと伸ばした正しい姿勢、

手入れの行き届いた端正な服装など立派な外観、

清潔な身嗜み等も紳士の心得である。

そして平時における高い品格と深い教養を備えた

紳士は、有事に際しては、常に兵の先頭に立つ

「フォロー・ミィ」の精神に満ちた、勇敢な指揮官

であることを期待されるのです。


米国海軍士官候補生読本「リーダーシップ」

において「士官は紳士と同義語である」と記されて

いる。

 

「内も外も清潔な人

 富める者をあがめず、貧しい者を見下さない人

 負けて悲鳴をあげず、飼って自慢しない人

 他人に思いやりがある人

 大胆で偽らず、寛大で欺かず、

 分別があって、のらくらして遊ばない人

 世の中の財貨の内の自分の分け前だけを取り、

 他人にその分け前を持たせる人

 ーーこれこそ本当の紳士である」


 「After you」と「Follow me」をTPOで立派に

使い分けるように努力しましょう。

                     【山見博康】