私達はどんな時に幸せを感じるのでしょうか?
その一つは、自分が精いっぱいやった!と感じた時です。
「人間の幸福は、自分の優れた能力を自由自在に発揮するところにある」
(アリストテレス)のです。
加えて、それが人に知られ、人から認められ、そのやった功績が何らかの形で誉められると尚更喜びが増幅します。
もし、企業であれば、その優れた能力(商品・サービス)を広く報せて、有名にすることに対して、大いなるコストを、真剣にそして適切に掛けるべし。
それは、現金(げんなま)ではありません。トップ社員一丸なった一人ひとりがPR担当の自覚と責任感がもって、その立場や役割に相応した知恵と時間と労力を費やすべきなのです。それは情熱に燃えるエネルギーコストでもあり、自社商品・サービスへの愛情のコストであります。トップが率先してその義務を果すことは経営の意志と熱意の表れなのです。
それは「情熱費=Passion Fee」。汲めども尽きることなし。汲めば汲む程湧き出て潤い豊かになるものです。
会社や商品サービスの知名度を上げ、尊敬される会社になることを重要視し、PRに力を入れて顧客価値を創造し続ける企業は、21世紀を大いに羽ばたくことになりましょう。
しかし、表面に出ているものや人だけに注目してはなりません。会社には、人知れず着実に努力し、成果を上げているひとがいるのです。
つまり、独立して自らのやるべきことを黙々とこなし、自らの優れた能力を十分に発揮して内心の喜びを真の歓びとして、満足している人も隠れているのです。そんな人を見出していくこと。そんな人が重視されるべきです。
そんな人は恰も深海魚のようです。
▽独立して自分の仕事をする人
▽自律して生きる力のある人
▽自分の足元を自ら照らし着実に進む人
▽人に迷惑をかけず、孤高を保ち、黙々と生きている人・・・。
深海魚は自ら灯をともして生きています。誰の助けも借りず独力で身辺を明るくしています。中には大きな灯をともすものもいるし、小さな灯しかともせないが必死でがんばっているのもいます。深海魚のように真っ暗の中でも自分の力で必死に灯をともそうと努力しなければなりません。
力がある人は、より大きな強い灯をともし、頑張っているがまだ灯していない多くの人にその光をわけてあげたらいいでしょう。
努力せず他の灯に頼ろうとする人は改心して深海魚を見習い、独力で少なくとも自分の周りだけでも灯をともすように精一杯努力をしましょう。その先にきっと希望の灯が見えるはずです。そうすれば世の中も真の明るさを取り戻すと信じます。
ゲーテの言葉通り
「形を具(そな)えて、さかえゆく生命(いのち)は、
時にも、力にも、砕かれはしない」
のです。
「私たちは、与えられた人柄を最大限に活用するだけである。
柄に合った計画だけに努力を集中し、
柄に応じた修行の道に励み、
他のいっさいの道を避け、
柄にぴったりとくる地位や仕事や生き方を選ぶことである」
(『幸福について』ショウペンハウエル)
【山見博康】