トリンプインターナショナルの元社長吉越浩一郎氏(吉越事務所代表)は、『吉越式利益マックスの部下操縦術』(幻冬舎)においてプロのリーダーのあり方を的確に指摘。特に私の共感するポイントを,いくつか紹介します。
●部下に権限を与え、責任をもたせて、決められた目標に向かって自律的に動いて行く組織こそ、売上げを上げ、きちんと利益を残す真の組織をいえる
●これはという部下なら、2段でも3段でもハードルを上げて苦しめてあげれば、それが飛躍的な成長につながる
●自信もって振る舞っているリーダーに部下は安心感を抱く。これこそが群れを統率するリーダーの隠然たる力であり、その力がチームをして闘争心を表に出して戦う組織に変えていく。
●あらゆる仕事に期日=デッドラインを設ける。「ホウレンソウ」ではなく、デッドラインで仕事の進行を管理し、仕事の遂行自体は部下に一切任せるなど、私の考えと共鳴する部分が多いのが喜びです。
特に「会社の中で飛び交う情報は血液だ。情報が流れないのは、組織の血流がストップしている状態で、たちまち多臓器不全に陥るのは必至だ」は、私の専門である広報・PRの私の定義と同じ思想です。人も会社も情報で生きている。これが滞れば「脳死」「壊死」するのです。「広報とは、適切な情報交通によって、会社を“善”に向かって司り、真の会社にすることである」常に「How To Be Goodいかに善であるべきか」を考え、「How To Do Goodいかに善を行うべきか」を実行するのです。吉越氏の訓えをよく吟味して実行することをお勧めします。
去る7月30日(金)に行われた出井伸之氏(元ソニー会長で現クオンタムリープ社長)主催のベンチャー支援の勉強会「鯉のぼりの会」において、(株)国際ビジネスブレイン新将命社長が講演され、その洗練された内容と話し方に感銘を受けました。以前、読んだ書籍で既にその慧眼に敬服していたので、新たな感動でした。
新氏によりますと、「リーダーとしての資質には、人間的魅力が必要、と仕事もできるし人間的にもすばらしい、『できる・できた人』」つまり『才と徳』の人になれ」(『一流の指導者』PHP研究所)と激励されています。そして、この度の講演では、人間には次の5つのタイプがあると分析されています。
1.自ら火をつけて燃える(自燃型)
2.火をつけられると燃える(可燃型)
3.自らも人からも燃えない(不燃型)
4.人の火を消して回る(消火型)
5.人の心に点火し、動機づける(点火型)
まったく共感同感です。マネージャーとして、どれが望ましいかは明確です。つまり、1と5。これからは5を磨くことです。
ゆめゆめ、3.4.にならないように。「一般に人間は指揮するより、指揮される方を好む」(ナポレオン)ものですが、真のリーダーシップをもつ指導者の偉大さは、「人間こそ唯一の富である」という格言を心に銘記し、謙虚さと人間的な温かさをもって、未来に立ち向かう人物です。【山見博康】