相手をよろこばせるために、あれか、これかと
苦心して贈物を整える人は多いが、何時何処で
でも贈物ができるように用意出来る人は少ない
ものです。なぜなら、人は物だけを喜ぶものでは
ないからです。
贈物をする時の着眼点とは:
1.どんな時か
●結婚祝
●卒業祝
●昇進祝
●業績表彰
●子息へのお祝
●お見舞い
●新築祝
●会社設立祝、記念行事 等
2.その人の立場
●会社の上司か同僚か部下か
●学生時代の友人か社会人としての友人か
●社会的な地位のある方か
3.親しさの度合い
●親しさとしての上・中・下
●親しさはなくて、儀礼としての上・中・下は
4.自分の予算
●十分か、不十分か
5.同僚や上司の推定予算
●推定金額
●何を贈ろうとしているか
●他の人を構わなくてもいいか?
横並びがいいのか?
6.贈るタイミング
●まっ先に贈る、届けるのがいいのか
●少し時間が経って贈る方が
印象が残るのか
7.贈る相手の嗜好
●年齢・性別・宗教
●地位・役職に相応しいように
●派手好み、地味系
●名前(ブランド)か実用か
8.贈る方法
●郵送
●手渡し・・・持参する
●人伝に渡す
9.その贈物による効果
●自己の将来、昇進へのメリット
●当面の付き合いがより円滑になる
●他に習って義理で贈るのか。
悪くは思われないためだけか
●今は疎遠であるが、将来気にかけて
もらえるきっかけ狙いか
この9項目を一挙にまな板の上に載せて、吟味
しつつ品物を慎重に選ぶことです。
私達の胃袋が絶えず物を欲しがるように、私達の
心は絶えず人と人との心の交わりを求めている
のです。それこそ飢えるようにひもじい様に人の
心に求めて、がつがつしています。
こういう人は、物を欲しがっているのではなく、
心が欲しいのです。
貴方はそれらの人に金のかからない、しかも、
相手を喜ばせ得る心の用意をいつもしている
でしょうか。
とはいえ、贈物の真意は、究極のところ
おべっか=お世辞であることを肝に銘じて
おくべきです。
つまり、自分もしくは、自分に近い人間
(身内或いは目をかけている後輩等)に
少しでもよくしてもらいたいとの下心による
ものなのです。それは自分の胸に手を当てて
本来の目的を鑑みれば容易に判ります。
土台、贈物をしようと思う事は、すでに相手の
お陰で何か恩恵を受け媚びなければならない
ものがあるからでしょう。
むしろ、この原点を踏まえて、贈物を考える方が
真心の籠った物の選び方、金額の多寡、届け方
などができるように思います。
身の丈に合い、かといって失礼ではなく、喜ばれる
贈物の仕方が出来るようになると、人間が練れて
きた証とも言えましょう。
お金のかからない贈物とは:
1.真心で接し、誠実にして誠実に振る舞おう
2.人の悲しみや喜びを、我がことのように感じよう
3.いつも大らかな態度で朗らかに接しよう
4.人には微笑みと優しい眼差しを向けよう
5.心の籠った言葉を使い、典雅な表現で語ろう
6.譲り合いの精神で、相手の真の心情を汲み
つつ対話しよう
7.贈物は身の丈に合い、敬い謙った気持ちを
抱きつつ。
【山見博康】