「花を与えるのは自然。

  編んで花輪にするのは芸術」 

           (ゲーテ)


春は花をもたらす。これは自然の法則です。

しかし、編んであげることは自分の意思で

しかできません。自然に何かを少し加味する

こと・・・これが芸術と言えるのでしょう。


少なくとも偉大なる芸術家の一人であるゲー

テはそう訓えているのです。

つまり、並平凡人でさえもできるのでしょう。

そこに優しい心根と相手を思いやる心情が

あれば・・・。

まず、芸術もだれでもできることからやれば、

芸術家になれるのです。


4月になると新入社員時代を思い出します。

大学をかろうじて卒業し、就職第1日目に

社長訓示を聞いたのですが、何を言われた

か?まったく覚えていないのであれは殆ど

役にたっていないのでしょうか。


1か月の神戸本社における集合研修の後、

配属発表があり、どこに配属されるかで

の後の運命も決まる日です。

私は営業を希望していたのですが、2人目

に呼ばれた部署が何と人事部教育課! 

体育会系の練習や試合に明け暮れた4年

間でしたので、まったくと言っていいほど学

問とか何かはまったく勉強のことは答えら

ない自信はあるのですが、人様に教える

のか? とこれは人選ミスだろうとも思っ

た位でした。そこで2年間社員研修の企画

や実施もしましたが、高卒の現場の人へ

英語の先生にもなって教壇にも立ったの

です。

あれから40年も経ってしまいました。

何の因果か?私はPR関係の大学講師

やセミナー講師も務めているのです。

つまりは、入社後の配属先がこれほど役

に立っている人間は不得手これまで部分

でも切羽詰まれば少しは能力開発が進むのが

自分ながらよく分かります。

これまでにないことをやってみるというのも、

自己啓発の一環でもあるのでしょう。


4月は春の風と共にこうした思い出も併せて

もってきてくれるのです。

エイプリルフールの日ですが、いかがでしたか?


私は春風とともに自省の日です。なぜなら、原付

と接触しててしまったのです。相手の青年は少し

の打撲で済んだので実に幸運でもありました。

ほんのわずかな不注意と何らかの偶然が重なって

事故が起きることを身をもって学びました。


実は昨夜は一睡もせずに原稿校正に追われ、

実は2日の夕方出版社に行って原稿を渡した

直後で、気が緩んでいたことが

あったことは間違いないことです。かすり傷で

済んだのはありがたいことと反省し、これから

の不注意を絶無にすることを誓います。

 春風はいいことですが、爽やかさを求めるのは

いいのですが、 “慎ましさ”を持って日々を過ご

したいものです。

 「春風(しゅんぷう)を以て 人に接し

  秋霜(しゅうそう)を持って 自ら粛(つつし)む」


        (佐藤一斎『言志四録』)   

    


                   【山見博康】