「しなやかさ。単純な表現的な。無辺な言葉。
これは物の魂に外ならない。私が一生涯かか
って探したのはこれである。しなやかさは、
いかなる形にも立ち超えている。
しなやかさという物質は今日会得するに最も
困難なものだ。今日は堅い事が有用に見え、
合理的に見えるのだ」
(ロダン)
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しなやかさ、響きのいい言葉です。ロダンは、
この習得を生涯かかって探したそうです。
これは、目に見える形や現象など、何事にも
捉われず、あるがままに柔軟に表現し、人生も
己の生き方を大切に自由に、奔放に生きていこ
うというものではないでしょうか。
芸術の世界にしては、判るような気がしますが、
ビジネスにおいては、どうでしょう。しなやか
な仕事とは、どんなやり方でしょうか?
私は、繁盛しているお寿司屋さんを見習うこと
を推奨します。
お寿司屋の大将は、毎朝4時には起きて魚市場
へ行き、いつもお客様が喜ぶ旬のネタを仕入れ
ます。その日来てくれそうな顧客を思い浮かべ
て、好きそうなネタを選ぶのです。
カウンターでは、常にお客様を向いて御用聞き
を怠らりません。客好みの珍味のネタを並べて
判りやすく講釈。カウンターでは1人ひとり、
“個客”としてそれぞれ対応、1人とて疎かに
せず、決して一律のサービスはしません。
味付けもワサビの量も、好みに応じて調節し、
常連にはとっておきの隠しネタもあり優遇す
ることを忘れません。
もちろん会話も一流で、お客様の興味ある話題
でリードして、それぞれに「オンリーユー」で
話を弾ませます。サッカーファンにはサッカー
の野球ファンには野球の話に花を咲かせるので
す。
貸し借りもして義理人情にも厚い。最後は見送
りもし「また来てね」と次回に繋げます。
実にその時々に柔軟で、しなやかな仕事振りで
す。
私は、広報PRのプロになろうという人物は、
まさに「お寿司屋さんの大将」を広報担当の
お手本として学ぶよう推奨しています。
スシネタもニュースネタも同じネタです。その
探すポイントも探し方も同じ。お客様対応も、
同じなのです。
ビジネスの要諦は、お寿司屋さんにあるのです。
いつも客観情勢を把握していて、マクロの話題を
仕入、いかなる場合も顧客中心にどんな対応も柔
軟かつ臨機応変に行うのです。
それには相手の立場に立った思いやりが必要です。
惻隠の情です。
どんな職種でも、真髄に達すれば色んなことが、
共通化されていきます。
ビジネスにおいても、プライベートにおいても、
「しなやかに」生きること。
これが願いです。
今日の一日がしなやかな日でありますように。
「よきにつけ悪しきにつけて思ふべし
こころに誠ありやなしやと」
(古歌)
【山見博康】