私は精神の生命を直感する。

世界におけるすべてのものを動かし、また君にできることを成し遂げ、生まれつき君に具わった埒内(らちない)の感情に身を委ね、精神的共同のあらゆる手段を講じ、君に特有なものを表現せよ。さらに、君をめぐるすべてのものに君の刻印を捺(お)し、人間性の聖業に従事し、親友を集めよ。

しかも一方、君自身を内観し、君が何をしているかを知り、また君の行為の程度と有様とを認識せよ。

やはり、思想は人間のあるべき姿についての美しい象徴として真実性を具えている。人間の意志の力によって、世界は精神に対して現存する。最高の自由とは、変化しつつ世界を作り上げていく精神の行為のうちに示される活動の謂(い)いである。

(シュライエルマッハー『独白』岩波文庫)

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 2月13日(金)9:00-10:30(有)Silky Style山田奈央子社長と面談し、帰りの電車で開いた『独白』の28P以降にこのフレーズを見出し、感銘を受けました。

それは、山田さんの話から導き出された哲学と相通じるものだったので、より強化されて我が小脳を震撼させたものでしょう。

「君に特有なものを表現せよ」とは私の信条でもあります。日々の行動一つ一つに「三つの独」の追及を入れるのです。三つの独とは、独自、独特、独創です。

1.どんなことにも自らの独自性を発揮せよ。

2.どんなことにも自らの意志で独特なことを実行せよ。

3.どんなことにも自らの独創性に身を委ねよ。

どんな小さな、つまらないものと思える仕事にも「大義」を感じることです。「大義」とは大きな目的です。迎え来る一つ一つの仕事には必ず真の目的があるはずです。常に自らの心を内観し、その大義を見出すのです。目的の無い仕事は全くの無駄と言えましょう。


山田さんは、オンリーワンの「下着コンシェルジュ大鳥居舞(おおとりいまい」として、活躍しています。しかし、それには苦難の地道な努力を費やしてきたのです。

前には誰も見向きもしなかった「下着コンシェルジュ」もまさに「君自身を内観し、君が何をしているかを知り、また君の行為の程度と有様とを認識」し、自ら意志の力によって、最高の自由を獲得、変化しつつ世界を作り上げていく精神の行為のうちに示される活動を行ったからです。


そうた中でチャンスを逃さず「女神の前髪」ばかりを追い求めているのです。その成果が08年8月大鳥居舞による『下着の品格』として著作に表現されたのです。どんなことにも哲学あり!上智大学「哲学」を学んだ才女だからこそ、下着の中に崇高なるものを発見しつつ、華麗なるフィロソフィーへと昇華させることができるのでありましょう。


人はそれぞれ優れた能力を持っています。その自らの能力に恥じないことを自らに課すことです。それがかけがえのない自分の、自分に対する気高い義務なのです。


さあ、今日も自らの能力・脳力を喜ばせようではありませんか!それが他人ではできない自らが出来る唯一のことです。シュライエルマッハーによれば「人間に意志の力によって、世界は精神に対して現存する」のです。「最高の自由とは、変化しつつ世界を作り上げていく精神の行為のうちに示される活動」であります。

人間の能力は使われることを求めて止まず、「人間の幸福は自己の優れた能力を自由自在に発揮するにある」(アリストテレス)のです。

【山見博康】