「創造性は繊細な花のようなものだ。誉められれば、花を
咲かせる。だが、意欲をくじかれれば、つぼみのままで
立ち枯れてしまう」
(アレックス・オズボーン、ブレインストーミングの考案者)
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インターネットの目覚しい発達によって、私たちは容易
に情報にアクセスできるようになった。欲しい情報はネッ
トによって検索し、取捨選択することもできる。
これまでは資本力を持つ大企業やある一定の所得層以上で
しか入手できなかった情報にも、コストも要らず簡単にリ
ーチ、パソコンからモバイルから誰でもどこでもそして、
いつでも欲しい情報がかなり入手できるのだ。
そこで、私たちに求められるのは、「情報を司る」能力
である。それがいろんな場面での競争において勝負の分か
れ目となる。太古の昔から、天下を治める者は情報を制す
る者だ。織田信長、豊臣秀吉も情報への類稀なるぬ感性の
持ち主であった。明治維新の思想的指導者吉田松陰も生き
た情報を求めて日本中を歩き、日本の危うさを察知して将
来を憂えて高杉晋作や久坂玄瑞など門下生を鼓舞。彼らが
起爆剤となって明治維新が成就したのである。
小国イスラエルがサウジアラビア・エジプトなどアラブ
の大国相手に中東戦争に勝利し、独立を果したのもまさに
諜報機関モサドの的確かつ迅速な情報戦略における圧倒的
優位性にあった。
情報は目に見えないものだ。これからは、見えないもの
を見る能力が競争激化の時代において、ものごとを制する。
そこで、優位に立とうと心する者は、全身の感性を常に、
“ON”にしておかなければならない。かといって緊張す
るのではない。 見えない情報を読むとは:
▼ モノの裏側に隠れた本質を見ようとする
▼ 人の表情の裏、心の奥底にまで想いを馳せようとする
▼ 話の裏側に潜む真意を察しようとする
▼ 活字記事の行間が語りかけるものを読もうとする
▼ テレビなど映像ニュースに隠された
▼ 相手の質問の予測とその真の意味を理解しようとする
こうして、常に「感性」を常に「ON]にするのだ。
次に、必要なことは:
● Qの能力を高めよ!
● Cの能力を研磨せよ
まず、“Q”の能力とは、“Question=質問能力”だ。
これには、2つあり、「Qする能力」と「Qされることを
予測する能力」の掛け算でもある。つまり「質問力」と
「質問予測力」である。この能力は砥石で磨ける。その砥
石とは、日々刻々の小さな細かい努力だ。
何のお金も特別の時間も不要。自分だけで出来る。もちろ
ん、意識的にすれば、他人とも研磨しあうことも出来る。
その一つがアルフレッド・オズボーン開発のブレインスト
ーミングである。ミーティングを活発化する約束事とは:
①自由奔放
②批判厳禁
③量を求む
④便乗発展
さらに発想を促進させるキーワードは、転用・応用・変更
拡大・縮小・代用・置換・逆転・結合の九つのチェックリ
ストである。これらは、アイデアが発展しそうもない時の
「強制的に考えるフレーム」になる。アイデアに行き詰っ
たら、質問、問いかけを拡げていくと脳は必ず応えてくれ
る。Qを意識せずとも自然とQが出てくるようにまで訓練
・研磨することが肝要である。
さらには、“Qの能力”も“Cの能力”無しには生きて
こない。それは“Cut in切り込む能力”だ。つまり、
①疑問は即座に尋ねる
②不明は即座に切込む、の二つの能力だ。
絶妙なタイミングに率直な言葉で“断固Cut in切り込む”
のだ。サッカーでもバスケットでも、チャンスに鋭角に
切り込むことができるほど優れた選手だ。
この「O・Q・Cの能力」の研磨高揚は、優れた人物にな
る確かな道程である。ここで言うその優れた人物とは、
「三独」をもつ人物だ。三独とは「独自」「独特」それに
「独創」である。
私たちは、「自己の塊」であることを肝に銘じよう。
自分を他人と比べてはならない。自分は「自分」だ。
【山見博康】