「時々刻々にわれわれを悩ます小さな災難は、大きな災難に絶え
る 力が幸運のあまりにすっかり衰えてしまうことがないように、
われわれを絶えず訓練するためにある」
(ショウペンハウエル『幸福について』)
--------------------
人はハダカで生れる。この世に生を受けた瞬間から危機に取り
巻かれる。人は誰も自分の生を選ぶことはできない。まず、親を
選ぶことはできず、従って遺伝的な才能や性格は生れた時に決
まっているのだ。また、親の職業も選べない。八百屋の子、猟
師の子、会社員の子、あるいは社長の子、職人の子・・・。
さらには富みも貧しきも、親の職業も選択の自由はないのである。
そこからまずは、その境遇を、甘んじて受入れなければならない
ことが判る。
つまり、生を受けること自体が危機への直面であると言えよう。
生れた後は、日々一刻一刻危機が起こる。まず、命を継続するた
めの最低のいや最大の危機である食への危機だ。自分では食物
の獲得が出来ない。そこで母親の乳やミルクで生き、食べさせて
もらって生き延びる。さらに寒さの危機もある。夏の暑さはハダカ
で何とか凌げるが、寒さは死に至る。そのために衣服が与えられ
る。さらに人は社会的動物なのでその中で生きるためには、その
集団や社会の習慣やしきたり、あるいは規範を教えられ、それに
沿って生活しなければならない。親の躾や、学校で学ぶことによ
って自立する術を身につけるのである。
とはいえ、人間は幸いだ。そのくらいの危機で済むからだ。他の
生き物、たとえば動物や魚類などすべて「天敵」がいて常に食べ
られる恐怖・脅威と立ち向かわなければならない。大人になる比
率は人間に比しわずかだという。生命とは戦いであり、生きること
は闘いであることが判ろう。
そこで、生きられる限り、どんな出来事にも取り立てて大喜びした
り、過剰に嘆き悲しんだりしない方がよい。それは人生における
一つの局面であるからだ。「人生はあざなえる縄の如し」ともいう
ようにある時の災難があったお陰で強い人間になることができたり、
良いと思った出来事がある時には最悪の事態を招いたりする。
これは自分ではコントロールできない物事の変化に、人智の判断
が及ばないことを示しているのだ。
そこで、今起きている災難を起りうべき災難のごく小部分と見るの
である。貧しきは貧しき中に災いは多い。しかし、富みにも富にも
災いから逃れることはできない。むしろ子供の頃から災いや災難
を克服する練習が少ないあるいはない人は、大人になって被る災
難がとてつもなく、大きく見え、乗り越えるのに多大なる時間と労
力・苦悩と心労を必要とする。サッカーでも野球でも練習を積めば
積む程、苦しい練習に耐えれば絶える程、練習以上の本当の闘
いである試合になって力を発揮できるのだ。
表面上は良さそうに見える家庭においても、内側に入ればそうは
いかない。カネにはカネの苦労が付きまとうからである。つまり、
大小様々の苦悩・災難・災いは我々の生活の基本的地盤を形成
する要素なのである。
を失わず、立ち向かう気概を持てる人は、起りうべき災厄がいかに
おおがかりで、いかにさまざまであるかを心得た人である。そんな
人が真の勇気の持ち主であり、剛健な人であろう。
「すべての生起する事象は、どんな大きなものも、どんな小さなも
のも、必然的に生起する」(ショウペンハウエル)と確信しさえすれ
ば、どんなに不可避的な耐え忍べないと見える災難でも、人間は
何とか順応していけるものである。
困難を克服して生きるのが人生なのだ。母親から知恵を、父親か
らは勇気を受け、それを自らの意志で鍛錬し、研磨して拡大強化
する。そして、否応なしに起ってくる運命のさいころに断固として
受けて立つのだ。災いを避けず、雄々しく立ち向かうのである。
一片の紺碧が空にある限り、天候を絶望視してはならない。少し
でも好転の兆し・希望がある限り勇気を奮って立ち向かい、ひた
すら抵抗するのだ。
されば猛く生きよ。
猛き胸倉を運命の矢面に立てよ。
「すべてがますます悪化しているような場合、それは実は天のし
るしであって、あなたを窮地に追いつめ、その禍を突然福に転
じさせようとしているのである」(アビラの聖テレジア、スペイン)
このことばをかみ締めれば、今、それぞれの目の前のある困難
・災難・苦悩・苦労・心労・禍・不幸・障害・痛み・・・が少々小さく
見えてきて、自分にでも何とか乗り越えていき、真っ暗なそうな
トンネルがグレーになり、その先に何かしらほのかにも薄明かり
を感じるに違いない。
『ストーリービジョンが経営を変える』
事業の夢を、一つの物語にすることで、驚くほど
会社が変わる! 成熟市場で高収益をあげる秘策を
公開。世に名だたる企業、名経営者が密かに活用し
た実践手法に注目、“ストーリービジョン”として
中小企業経営者のために体系化し、世に初めてその
具体展開法を示す注目の書。
http://www.jmca.net/books/story/ad.php?&id=145
< 成功する事業承継 >会社を上手に任せる法
承継期に会社の弱点が最も表面化する…。後継
者育成350人以上の実績、【譲る側の本音と不安】
を知り尽くした著者が、オーナー社長のための
“成功する事業承継”を、数々の実例で明快に説
いた注目の書。
「株式」「資産の築き方」…
http://www.jmca.net/books/makaseru/ad.php?&id=145
君に成功を贈る
東郷元帥、松下幸之助、稲盛和夫…、戦前戦後、
各界の頂点を極めた成功者達が、なぜ《生涯の師》
として心服したのか…。魂に直接語りかけてくる
《人生成功の秘訣》を誰にもわかりやすく、しかも
面白く解き明かした感動の書。発刊以来、一括買い
が集中する注目の書。
http://www.jmca.net/books/kimini/ad.php?&id=145
ひと中心の経営へ
アメリカ的なマネー・効率最優先の風潮で、ズタ
ズタになった社員の働くよろこびや顧客への親切心
を、一刻も早く自社に取り戻せ!利益や効率を創り
出す「ひと」の役割を、これまでとはまったく異な
る視点から見直し、新たな「収益モデル」として提
言した話題の書。
http://www.jmca.net/books/hitochushin/ad.php?&id=145
二宮翁夜話
「道徳を忘れた経済は罪悪であり、経済を忘れ
た道徳は寝言である」幕末の大実践家、二宮尊徳
の珠玉の言行録、遂に現代語訳なる。人間の欲を
認め、まわりと調和させながら、心も金も、同時
に豊かにする「真の繁栄の道」を全181話で分かり
やすく明示した貴重な書。
http://www.jmca.net/books/ninomiya/ad.php?&id=145
勝つ企業の条件
すべての業界で、新・旧入れ替え戦がはじまる!
「2割の勝ち組」と「8割の負け組み」に分かれる
中、8つの経営手法を身につけた企業だけが勝ち残
る。全業界1000社以上を直接訪問・調査した、徹底
した現場主義の著者が、中小企業経営者に緊急提言
した話題の実務書。
http://www.jmca.net/books/katsu/ad.php?&id=145
天才社員の育て方
“右脳開発のカリスマ”が、社内に「イチロー」
を育てる、画期的手法を初公開。20年以上の研究を
経て開発した独自の「右脳開発メソッド」により、
各人の潜在能力を開花させ、スゴい人材をドンドン
育てる“4段階一貫方式”を分かりやすく解説し
た注目の書。
http://www.jmca.net/books/tensai/ad.php?&id=145
「後継者の選び方」「育て方」「鍛え方」 【山見博康】どんな災難に遭っても、どんな苦しみを与えられようとも、落ち着き