「失敗は宝の山。失敗はヒントの山。
成功は過去。失敗は未来。
失敗する勇気、恥をかく勇気、
批判される勇気を持てば怖いものはありません。
『勇気を出す』といいます。
そう、『勇気は出すもの』なのです。
つまり人間の内側に備わっているものです。
出すか出さないか、です」
(『超求人成功法』岡野博文著)
これは、『勇気の出る』言葉です。
発明王エジソンは「成功は99%の汗と1%の幸運」と言います。
つまり、100回の内99回を失敗、成功とはその失敗の結晶なの
です。しかし、成功と失敗と分けること自体、おかしいことです。
物事には、白か黒という分け方で済ませられるほど簡単でない
からです。白黒で分けることができるのは、スポーツや囲碁将
棋などの1回の勝負だけでしょう。
ビジネスの世界でも何を成功・失敗とするかは難しいところです。
例えば、ある飛び込み営業で思いがけない受注に結びつき、社
長からも誉められたとします。それで成功と喜んでいたら、その
後、代金が滞って挙句の果ては逃げられた、という場合もありま
しょう。或いは、クレームがついて、返品の憂き目に遭うこともあ
るのです。
恋愛と結婚も同様。いい人と巡り逢い、相思相愛の内に結婚、
幸せの絶頂期を過ごしたカップルは、人生の大成功者です。
ところが、数年後、顔も見たくない間柄になり、離婚するとなる
とこれは失敗作となります。
しかし、それによって、人を見る目を養うことができて、今度はも
っと、素晴らしい人と出会うこともあります。
つまり、人は痛い目によって学ぶことの方が多く、「失敗は成功
の素」なのです。昔から「禍福はあざなえる縄の如し」と言われ
ています。
失敗は失敗ではなく、次の成功への布石、そう考えて、再び未
知への挑戦を繰り返すことができる人こそ、人生の成功者と言
えます。そういう人は常に未来への希望を失わず、自分を信じて
失敗を跳躍台に変えることができるからです。
「人間の幸福は、自己の優れた能力を自由自在に発揮するに
ある」(アリストテレス)ことを肝に銘じましょう。
物事を常に白か黒かで見る人は、幸せにはなれません。そうい
う人はいつも愚痴ってばかりとなりがちです。
目の前に起こる物事を正面から受け止め、その時々で最善を尽
くそうと努力する人こそ、その瞬間瞬間に幸せが見出せます。
そんな人は真の勇気ある人です。
山見博康