フリーターやニートという言葉が一般化して仕事の概念も多様化
しつつあります。人は何のために働くのか?は何時の時代におい
ても、大きな課題です。仕事をすると何らかの報酬が得られます。
その報酬の多寡や高低が人の仕事への引力となるのです。
仕事の報酬とは何か?
それを明確に自覚することによって、自己の仕事への責任が生じ
ます。その把握の食い違いや行き違いによっていろんなトラブルが
生じるのです。仕事について同考えるか? の選択は、将来の危
機への対応でもあります。それぞれの立場で、それぞれの職業で
それぞれの人生の一時期において、さまざまな仕事の報酬がある
のです。
1. 金銭的な報酬:
金額の多寡はあるが、仕事の報酬は短期的には「お金」。
組織であれば自給・日給・月給として支払われる。
またある仕事の完結の対価としての報酬もある。しかし、
ビジネスの永続性を考えればお金は一過性の報酬に過ぎ
ない。一時的な大金も、その後に仕事がいただけなけれ
ば、いわば手切れ金、ビジネスの永続はできない。これ
だけを追い求めると長期的には危機が忍び寄る。
2. 地位・役職の報酬:
これは組織に属した場合の報酬の大きなひとつだ。仕事
を成し遂げるたびに評価され、ある一定期間におけるそ
れらの積算によって、それぞれの組織において決められ
た地位・役職が付与される。社内競争に一喜一憂する報
酬である。しかし、それは一定の年齢によってあるいは
突如無くなる。つまり他から与えられるもので将来の危
機が予測できる。オーナーの場合には、生殺与奪の権利
はあるが、業績低迷や倒産により突如皆無と化す危機が
ある。
3. 能力向上の報酬
腕を磨く喜び ミニ成功体験を積むことにより能力は飛
躍的に向上する。残業を残業と思わず、どんな過酷な仕
事もこれを身につければこうなるという目標があれば苦
にならない。これは本人の意思次第でどこまでも向上し、
無くなる危機はない。むしろ高度・拡大すればするほど
危機は低減する。
4. 自己成長への報酬
人は何によって自己成長を見ることができるか?それは
客観的にも主観的にも、仕事の出来栄え以外にはない。
仕事の成功度合によって飛躍的に成長する。スポーツの
上達を考えると分かり易い。その度合いで成長が自他共
に明確に分かる。その成長が仕事の報酬なのだ。この喜
びはかけ算となって拡大する。この報酬は危機を寄せ付
けない。
5. 生き甲斐・心の満足への報酬
仕事にやり甲斐を感じて、全力を尽くしその成果を実感
できるようになるとより高度な報酬として、生き甲斐と
なり、その都度心の満足が得られる。それは何ものにも
換え難い内面の満ち足りた状態である。これは危機の雨
散霧消を促し、昇華する。
これらを手に入れるためには、わずかでも向上しようと
する意欲をもって、愚直なまでの基本練習・反復訓練が
必要です。また、他人の出来ないことをやろうとする独
創性への限りない欲求が向上心となります。知的労働に
も強靭な肉体が必要であるが、それは強靭な精神が創る
ものです。
【山見博康】