小川のせせらぎの音、野鳥の声、潮騒の音、心地よい微風、
炎の揺れ、虫の鳴き声、星のまばたき、木漏れ日
リラックッスしているときの脳波や心拍
これらの周期や振幅や揺らぎに共通したパターンがあるという。
“1/fゆらぎ”と呼ばれ、自然界に多く存在し、人間の身体にもある。
fとは周波数(frequency)のことでI Intensity(強さ)I=1/fで周波数の逆数。
心地よく、やすらぎ感を与えてくれるのはこの“1/fゆらぎ”。
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“1/fゆらぎ”のことは20年以上前から知ってはいたが・・・、
春は、小川のせせらぎに耳をとられ、
夏は、浜辺で半日も波にゆられ“浜辺の歌”を歌い
秋は、黄金色に染まった稲穂と心地よいそよ風と一緒に遊び、
冬は、天空からゆらゆらと揺られて降ってくる雪に我を忘れて佇む。
これらが“1/fゆらぎ”だったとは、つい最近まで気づけなかった。
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1977年に打ち上げられたボイジャー※1が採った宇宙音。
この音を泣いている赤ん坊に聞かせるとすやすやと眠りだす。
宇宙音は“1/fゆらぎ”で揺らいでいる。
宇宙を“母”に例えることがあるが、
これは、人類は夜空を見上げ、星を見ることで、
“1/fゆらぎ”を肌で感じ、宇宙と共鳴していたのかも知れない。
人類は言葉の発明によって多くの感性が退化させてしまったようだ。
塚田益男氏によると、1990年までを工業化社会と呼び、
その工業化社会では、生産性や効率を追求するために、
形状や図案など法則的・規則的なものを大量に造ることが支持された。
建物や道路やコンクリートで整備された川には、直線、直角で“1/fゆらぎ”はない。
工業化というパラダイムの下では、“1/fゆらぎ”が削ぎ落とされ、
鉄筋コンクリートの建物が立ち並ぶ都会で、コンピュータゲームで遊び、冷暖房のきいた
便利な生活に浸ってしまうと、自然にある“1/fゆらぎ”に接することはない。
“自然人”と名がつくように、人は本来自然と共に過ごすのがいいようだ。
現在人が忘れ去ろうとしている“1/fゆらぎ”を肌で感じることは
人類にとって大切な幸せの一つなのでしょう。
※1 ボイジャーとはアメリカ航空宇宙局(NASA)による太陽系の外惑星および太陽系外の探索計画。2機の無人惑星探査機。1977年9月5日に1号機 同年8月9月に2号機が打ち上げられた。2011年8月現在、1号・2号ともに稼働している。
ボイジャー1号は2011年8月現在で太陽から約177億km(約118AU)離れたところを太陽との相対速度・秒速約17.06kmで飛行中であり、地球から最も遠くにある人工物体となっている。 地球との通信のための電波は片道約13時間を要する。
2010年12月、太陽風の速度がゼロになる領域に到達。NASAの計算によれば約4年後にヘリオポーズを超えると推定している。 一方のボイジャー2号は2011年8月現在で太陽から約144億km(約96AU)離れたところを太陽との相対速度・秒速約15.46kmで飛行中であり、ボイジャー1号とパイオニア10号に次いで地球から遠いところを飛行している。
今後は原子力電池の出力低下にともない、全ての機器に電源を入れておくことが出来なくなるが、稼動を完全に停止するのは、1号は2020年以降、2号は2030年以降の予定である。