資質。
好み使う人が、まぁまぁいるワードである。経営者としての資質。リーダーとしての、みたいな。
少し前、うちのスタッフとの話題にも出たのだが、『器』や『身の丈』というような解釈で落着をみた感じ。
器以上のことをやろうとしても、なかなか上手くいかないみたいな。許容オーバー分が零れ出てしまうわけで、と。
とはいえ、特段のテーマじゃなかったのだけれどね。知らぬ間に盛り上がりをみせ、そう展開したというか。
ところで。広辞苑でこの言葉の意味を引くと、こうある。『生まれつきの性質や才能。資性。天性』と。つまり、生得的素質だと。
それじゃどうしようもないじゃないか、といえば、そういうわけじゃない。能力があるからだ。
広辞苑には『教育や環境等の後天的要因と資質との複合結果』と、その意味が記されているのだが、ようするに、日々養うことができるというわけだ。
ふむ。励み、糧にしようじゃないか。
やや話が拡張するが、『自分は平均以上』と考える癖が、人にはあるようだ。そういう認知バイアスが何事にも強く働いているらしい。
有名な話として『あなたは平均よりも車の運転が上手いですか?』というアンケートがあるが、70%の人が『はい』と答えることが分かっている。
つまり、人よりマシだと。(分かる気がするよね。ボクもそう答えるし)
さらに、『ダニング=クルーガー効果』というのもある。(コーネル大学のダニング博士とクルーガー博士から名付けられたもの)
この研究成果では、こう結論付けられている。
1.能力の低い人は、自分のレベルを正しく評価できない。
2.能力の低い人は、他人のそれも正しく評価できない。
3.なので、能力の低い人は、自分を過大評価する。
こう言われると『あぁ。いるいる。あの人でしょ。それにあの人も』的に周りを見渡してしまいそうだが、この思考癖は『バイアスの盲点』と結論づけられている。
ようするに、自分を激しく贔屓し、自身を豪快に棚に上げる現象だ。
資質と能力。
自信を持つことは大事に違いないが、勘違い野郎になってしまうのもね。どこかこう恥ずかしく、品格にも欠けてしまうわけで。
ふむ。謙虚に生きよう。いや、そう生きなきゃな。弛まなく。全速力で。