差別化をしているとお客さまから選ばれづらくなる。その理由とは? | No Rice,No Life! 佐藤琢也公式ブログサイト

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企業論、人財論、労働論、マーケティング論、プロモーション論。
時事問題、関心事、個人的な日常など、徒然なるままに綴ります。

こんばんは。
神戸での仕事が終わり、ホテルに到着です。


  「最近22時ぐらいになると、どうも眠くなる」


さてさて、クライアント先でのミーティング。
話題になったのはコチラ。

「なんで差別化しちゃいけないんですか?」
おおむね、そういうことです。

たしかに、お客さまに伝えたくなりますよね。
だって、他社に比べて本当にスゴイし、優れているんだから。

では、なんでしちゃいけないのか?

いや、「しちゃいけない」なんて言うと語弊があるな。
するかしないか自由だけど、しない方がいい。
そういうハナシです。


差別化とはお客さまにとって関係ないことが多い


差別化とは他社に比べてどう優れているか?
提供者側=会社を主とした視点です。

つまり、見ているのは、お客さまではなく競合他社。

いっぽうで、人の関心事は「自分にとってどうか?」

たとえば、だれかの自慢話をコンコンと聞かされてもウンザリしますよね。

「へぇ~スゴイねぇ!いいなぁ!羨ましい!」
そう相槌は打ちつつも「もういいよ」って。

少なくとも「そのハナシ、もっと聞かせてよ!」
なんて人は、あまりいないと思う。

つまり、自分にとって関係のないハナシなワケです。


では、「ウチは他社に比べてこんなにスゴイ!優れている!」
このような優位性ネタは、どうでしょう?

これまた、だれかの自慢話と大して変わらない。
そういう場合が多い。

だから「業界でトップ水準!これだけ他社よりもスゴイ!」
というような「単なる優位性ネタ」は・・・。

そう。
お客さまの中で「へぇ~、スゴイんですね」的な、どうでも良いハナシに終わる可能性が高い。

あくまでも、お客さまにとっての関心事とは「自分にとってどうか?」ですから。


ちょっと分かりづらいですかね。

たとえば、あるダイエット器具メーカーが、こんなコピーをつけるとします。


アメリカ発の最新技術を取り入れた、業界でもトップレベルの操作性!

選び抜かれた素材を使い、強度も耐性も申し分なし!

コンパクトにまとめることができ、収納もラクチン!

2014年 グッドデザイン賞を受賞!


どんな印象を持ちますか?

たしかにスゴそうだけど、ダイエット器具を買おうとしている人の関心事は、そういうことじゃない。

確実に「痩せたい」んです。

そして、痩せることによって何かを味わいたい、得たい。
裏側にはそういう欲求がある。

たとえば、職場の同僚からホメられたいのかもしれない。
好きな人から魅力的に見られたいのかもしれない。

異性からモテたいのかもしれない。
いつまでも若々しく見られたいのかもしれない。

あるいは、体型を維持し、自己管理をしている自分が誇らしいのかもしれないし、成人病の予防かもしれない。

カンタンなたとえですが、そういうことです。


素人のお客さまに理解できるのか?


自社の商品やサービスに自信や誇りなどを持つこと。
それは大切です。

だから「ウチはこんなにスゴイんだ!」
と、言いたくなる気持ちも理解できます。
本当に優れているのだから。

でも、それらは「プロの視線だから分かる」。
そういうことが、けっこうある。

たとえば、ダイエット器具に謳われている「アメリカ発の最新技術」、「選び抜かれた素材」、「グッドデザイン賞」。

たしかにスゴイんだろうけど、素人であるお客さまは「その優位性について、そこまで理解できない」。
そういう前提で考えた方がいいワケです。

(あなたのお客さまが同じ業界人、その分野に精通している人なら別ですが。)


これはどんな商品やサービスでも同じことです。

お客さまを「主」にしないと、よく分からないハナシになるし、お客さまの関心事から外れてしまう。

つまり、差別化という会社を「主」とした視点は、じつは大して意味がないんです。


その他、「差別化をしない方が良い理由」はまだ他にもありますが、つづきはまた明日書きます。
(まだまだ長くなりそうなので)

ではでは。