貴方が落としたのは、
銀のメッセージ?金の志? それとも…
銀魂2 掟は破るためにこそある
空知英秋原作、人気漫画 銀魂 を福田雄一監督が実写映画第二弾。
家賃未払いで残高が足りずにバイト巡りする
万事屋であったが、ひょんな事から江戸を脅かす陰謀に巻き込まれる。
レンタルを待ちつつ観る機会がなかった
銀魂実写2を遅れて鑑賞と今更レポート
念を言うともっと早く観る予定でしたが
仕事場近くのTSUTAYAが無くなったのと
ルート的に距離が遠い正反対の別のTSUTAYAを
利用せねばならないという言い訳(^-^;
何故今になってレビューするかというと
フォロワーアメ友さんでも既に観た感想が多いみたいで実際に観てからコメントしようと決めつつ今に至る…(^^;
謝罪
アメ友さんの記事にいいね!だけ押し
見終わってからコメントする予定だったのですが
何かの誤差動か私自身の指のタップで押し間違えたか…
押した筈のいいね!を誤って消した事に
今頃気付く…
うわぁ…どうしよう…いいねまた押しづらいよ…
もし気づいてたら…いや気づいていない?気づいてても気付かないふり?(^-^;等々罪悪感及び被害妄想が
いずれにせよ私のタップミスで消した事は
間違いないので気づいてなければ私の被害妄想で願いたいのですがもし気づいておられるなら別に怒ってないし当時2まだ未鑑賞で怒る理由なんてないのですが
あの時は 大変申し訳ありませんでした…
前作は鑑賞済みですが感想は未投稿のままだったので今作語る前に原作及び前作と福田雄一とは何ぞやについて触れながら語らせて頂きます。
原作について
空知英秋原作で 年に週刊少年ジャンプより連載が始まった銀魂。作品を知ったのは後にゲーム化されたDSの万事屋大騒動を中学に、PS2より
ボクとかぶき町日記を高校にプレイしたのがきっかけで
時代劇×SFと江戸というより廃刀令以降の明治をベースにしつつ頑張れゴエモンを彷彿とさせる
キテレツな世界観に万事屋を始めとする皆実在の歴史上の偉人の漢字を換えた個性的なキャラ達が奔走する基本はナンセンスコメディ。
例えば実在の著名人、流行や他作品を皮肉にイジったパロディギャグや際どいギャグ(誉め)が特徴で後のアニメ版でこれ等のレベルやクオリティが上がってるので声を出して笑いました。
昔好きだったビーストウォーズのアドリブ声優無法地帯を連想させる結構尖った日常ギャグ作品かと思わせて
時折展開する長編シリーズと呼ばれる回では
基本一話完結型の日常作品が嘘の様にシリアスな展開に以降する内容に当時はえっ!?と衝撃を受けそれでいてちゃんとドラマも描くギャップもあるので
当初ずっと日常ギャグ物と舐めてましたの一言でした(^-^;
アニメ版を機に自分にとって無くてはならない作品の一つともいえる作品となり
終盤に迎うのかと見たいけど終わったら寂しいけどまだまだ続くを繰り返し現在アプリで無料連載されてるらしいのですが
こち亀の様にたまに帰ってくる感じでもいいから
日常物に戻してほしかったり等まだもう少しだけ付き合いたいな感も
前作実写と福田雄一作品 おさらい
アニメではマネキン使用の季節外れのエイプルリフールネタにしてた実写ネタが数年後には
嘘から始まった真 マジでか?!な話。
るろ剣、デスノ、暗殺教室といった実写ブームがある以上銀魂もいつかするだろうと思ってましたが予想してた監督と違うなと以前実写化決定に
ついての感想を書き
私の中で監督は三池崇史もしくは園子温しかないと思ってましたが福田雄一と聞いてえっ?と思いつつ案外合ってるんじゃ?と思ったんですね
TVドラマ「勇者ヨシヒコ」山田孝之主演作の
ドラクエパロディ作が代表ですが
なんだよコレ… ファンタジーつっても
時代劇風の学芸会じゃんかよ…と初見は
正直キツかったですが観ている内に
コレはこれでアリじゃんと
感動物にいきがちなドラマの中でこうした
コメディ路線を最後までやりきる珍しい作品と
印象付け「うわぁ引くぅ…」の否定がだんだんと馴染んで来ました
一見手作り感の割りに出演者は皆豪華な顔ぶれで特に山田孝之さんの真面目だけど天然な人物像を上手くヨシヒコに反映しており
真面目で悪気がない分、渡辺直美さんに酷いこと言っちゃう等、周りが思ってるけど絶対口にしない事をバカ正直に言ってしまうあのくだりから当初の評価を一変させ、B級テイストながらも
パロディはキッチリ本家を忠実にリスペクトし
パットみショボくなりがちな手作り世界観すらもだんだん馴染み、話はとてもシンプルですが
三谷作品とまた違う愛のある作りで どういった作品か一言で表すと
最終絶叫計画等のコメディ洋画を
凄くマイルドにした感じ
個人的に漫画の河田&行徒姉妹作品を思わせる
作風で楽しく見れたシリーズでありました。
ただ先に観た変態仮面は
楽しみ方を知る前だった事もあり初見は正直苦痛でヨシヒコ鑑賞後の二回目からは楽しめました
(慣れたってのもありますが)
題材作より福田作品の見方を知ってるか否かで
評価が変わってくるといえますが何分スクリーンに以降する際は楽しめるもののTVで成立してた
作風が映画では間延びになるテンポの悪さが多々ありますが後述。
変態仮面、子供刑事等数多くの作品を手掛けた中で前作実写銀魂。
実写化について過去にデビルマンを始めに
テラフォーマーズや進撃の巨人等々恐らく悪魔に魂を売り渡してでも黒歴史にしようとMAD動画が作られた様に
人間不信ならぬ実写不信を抱く層が
最初多かった筈ですが
「全員銀魂と一緒にシんでもらう事になります」
原作者、空知先生公認の皮肉を混じえながら
上手くまとめたメッセージでファンを落ち着かる火消しもありますが蓋を開けてみれば大ヒットを記録し後にDVDで拝見したところ
過去に実写化が難しいとされた銀魂と福田雄一の作風がベストマッチし
題材に「紅桜編」と聞いた際
既にアニメ化や劇場版の新訳等、映像化される
機会が多かった長編で
福田作品といえばコメディの印象が強いので
シリアス面は大丈夫か?等 不確定要素以前に
「また紅桜見せられんのか?」
と不安がありつつ、お約束メタなくだりや
お馴染みのどたばたな日常を冒頭に持ってくる
原作知らない層でも世界観が解る内容で
逆に原作知っていればより楽しめる導入部
基本劇場アニメ版ベースながら
出番があまりなかった真選組をクライマックスに参加させる等お祭り映画として盛り上げるとこはきっちり作られ
一番挙がったのが原作になかった
銀時と宿敵高杉との対決シーンは後々原作の決着に繋がっていく場面で劇場にした意味のある
これだよ…これが観たかったんだよ
当初不安だったシリアス路線も以外とちゃんと
描かれ実写作品としては理想といえ
銀魂としても福田雄一作品としても見事ハマって
評価できる作品と感じました。
ただ時折混ぜられるヨシヒコ的ギャグは
相性がいいと思う反面トゥーマッチになり映画のテンポを削いじゃうキツい箇所や細かい演出の
もたつきが多かったりします(実は本作もこういった箇所前より増えてますが後程)
とここまでが前作に対する私個人の評価。
今作
本題である今作 実写銀魂2
アニメ版含め(よりぬきシアター除く)
劇場版銀魂としては4作目にあたりますが
前作から主要キャストを基本引き継ぎつつ今回は
お登背さんをキムラ緑子
松平片栗虎役に堤真一 さっちゃん役に夏菜
将軍役に勝地涼、前作のネットドラマ版から映画参戦となる山崎退役の戸塚純貴。
敵役に河上万斎に窪田正孝
伊東鴨太郎に三浦春馬 等々出演陣も豪華な面子を揃えた上で今回チョイスされてる長編
「真選組動乱編」原作でも人気エピソードの一つでよりぬき2Dシアター版の総集編が作られる程で真選組を中心に描きギャグはありつつも
シリアス中でも重い内容上、劇場用に描くのは
前作の紅桜以上に難しいチョイスですがそこに
原作から将軍接待(将軍露出狂説)日常回を追加しMixさせる
前作に続き日常からシリアスに移行のアイデアは良く前作よりボリュームを拡大する続編として
正攻法な作りで新規参戦の役者陣との絡み等前作以上にコメディ要素が増して本格劇映画に仕上げようとしているのですが…
ただそれ故に言いたい事はありますが
まず本作の評価ポイントから
万事屋側の発端となる家賃滞納する
小栗旬の銀時とキムラ緑子版お登勢さんとの
口喧嘩するくだり、緑子さんの
「課金したら金なくなっちまったんだよぉ!」と声枯れんばりに叫ぶやりとりは銀さんと共通するダメさの部分等似た者同士な親子喧嘩感がありこれはクスリとさせる馬鹿馬鹿しさ
夏菜版さっちゃんもアニメ版の小林ゆうさんの声ソックリ再現しておりキャバ嬢に扮する際の顔等、橋元環菜の鼻ほじ並みにドギツイながら
「笑ってはいけない」ゲスト張りにおふざけ披露
戸塚純貴版山崎もアニメ版声優を意識した様な近い声質で途中へたれ化する柳楽優弥版土方のスイマセーンが中井和也さんそっくり等アニメ版を意識した演技で
将軍かよぉ!と言いたくなる勝地涼さんの
山田孝之ヨシヒコとまた違う意味でバカ真面目な役を演じ(ちゃんとすっぽんぽんになってましたね(^^;)おりキャバクラでの表情や特に床屋✂️💈でのくだりで引き釣られた顔のメイク等のクオリティ等原作譲りながら笑わされました
片栗虎こと松平のとっつぁんの堤真一さん
アニメの若本規夫版インパクトが強かったので
原作再現なら佐藤二郎さんでもいいんじゃない?と思う位、原作と別人とも言える堤真一さんそのままですが逆に原作とはまた違った自由奔放
寅さんタイプで悪くありません(もっとはっちゃけてもいいぐらい)
前作から続き、ムロツヨシ版源外
正直、勇者ヨシヒコでのメレブ要素強めの実写源外ですが、前作以上に某作品のパロディネタをぶっ込み特に、後半の誰もが知る有名作品ネタの
CGクオリティの高さも合間って
やりやがったぁ( ̄□||||!!
口あんぐり開いちゃうアニメ版お馴染みの
著作権すれすれパロディ等観てて
あっ銀魂だぁと実感
アクションシーンの見せ場は前作よりも増して
クオリティは上がっており
沖田と神楽との共闘やクライマックスで異なる場所で交互に視点が変わる見せ方は本来状況が解りづらくなりがちですがアップになってから別の視点に移行する等、漫画を読むコマ割りに沿って目で追う様な見せ方で工夫はされてます
この様に楽しめるツボは
先に述べておきます… ただね
その反面シナリオや構成及び演出等々
前述してきた良点を帳消しにしかねない
モヤモヤを残す出来ともなっております(^^;
確かに前作から引き続きコメディ部分は
楽しいといえますが福田雄一節のヨシヒコ的ギャグが前作以上にバランスが悪く作品クオリティを下げさせる要因になってる箇所が目立ち
キャバクラ店長演じる佐藤二郎さんのくだり
佐藤二郎さんの物言い自体作品世界をモノにしかねない位トーク力ですが
いくらなんでも長く間延びしてるので
本来ならもう少し削れた筈で将軍の札束見て
「本物そっくりねぇ…」からパッと気絶すれば良かったのにその後も延々喋らせており福田作品共通ですが
福田監督最大の問題点が、コメディパートの
起承転結をまとめないのでその度に話がいちいち止まるモッサリ演出のネックが多く
撮影のノリでそのまんま入れちゃったんだろうな
な印象で前作でも新八が船に潜入する際に披露した原作にない乳首ドリルネタ「すんのかぁい」からスパンと切り上げないと物語が停滞し
ハハ…うんもういいから早く進んでな
他のドラマの対比でTVで成立できましたが
テンポやリズムを求められる映画では相性が悪い
(福田監督に限らず三池さん等邦画作品多いですがそう思うと平成ライダー等の特撮物の方がテンポ上手い)
没にするのが惜しいのなら、後でDVD用の特典映像に処理する手もあるのですがやってないから困ったなぁ(^^;
映画始まって早速気になったのが
アバンで万事屋銀ちゃんの建物ローアングルで
固定するアニメでお馴染みのBGオンリー場面を
実写verに描き
アニメ版ででのお約束なので良いのですが
トーク内容が「俺ってイケメンだよね」な
ナルシスト的なの菅田将暉君自身に言わせると途端に痛さが…
せめて前作のヒット受けて勢いで作ったけど
ハードル高くてこれで外しちゃったら…的な
自虐的やりとりに変えるでもいいしBGオンリー場面だけアニメ版の万事屋の声優三名使うにしたらアニメサービスとしても機能してた筈
三池版ヤッターマンでドロンボー一味の中の人が出てくる様なオマージュサービスをキッチリやってほしかった
その後ワーナーシンボルが繰り返してからまた始める劇場アニメ版でも披露したメタギャグですがその後の映画泥棒のパントマイムパロディ
アニメ劇場版二作で既にやりましたよね?(^-^;
パントマイムネタ自体面白いのですが先に
パロディで使用したアニメ版劇場公開2013年から時期を逸し過ぎて残念ながらネタ自体古く
あの場面に限って直ぐぶつ切るのでパロディとしても中途半端で先程のBGオンリーとの連続性がない分、開幕早々お茶を濁すだけの見せ方に
せめて第二弾の複数増える映画泥棒に扮した桂もしくはエリザベスの画とか大変シュールで後で
キャバクラでのカツラップに冒頭で披露する等
活かせれる筈
…とこんな感じでの突っ込みは多々ありますが
これから語るネックに比べれば些細な事であり
それ以前に…
本筋の話の軸ブレてる問題
シリアス長編故に日常回を交える
アイディアは良く本来なら将軍回と動乱編を上手く映画用に見せられる筈ですが
将軍が訪れるキャバクラ場面から
真選組動乱編へ移行しますがアイデアの割りに
流れ上、上手く絡ませてるとはいえず
この二つの話が 別個 に切り離され
万事屋と真選組の視点が同一線に並ばないまま
原作をなぞるだけなので物語として悪い意味でぐだぐたな印象を与えるだけとなり
それどころか演出の詰めの甘さが祟りキャラの
根幹をぶれさせる結果ともなってます。
キャバクラでの王様ゲームのくだりと
外で見張りをしてる真選組の視点から
動乱編の中心人物たる伊東登場に繋げるは良しとしてそこから急に屯所での祝杯場面に移行し
キャバクラ内で将軍がまだ居ており丸裸で街中走り回るオチがカットされた上で唐突に屯所シーンに切り替わるので観てる側は
真選組が仕事放棄して早退した様にしかみえない絵面に
将軍帰ったとか説明がないのでいくら同胞の帰郷祝うとはいえ将軍護衛を放棄し酒飲む切腹物な
絵面になってる
ここは原作通り丸裸の将軍が夜の街を失踪する
漫★画太郎の「ばばぁゾーン」並みの際どい面を入れて真選組と万事屋両方が将軍追いかける
ドタバタからヘタレになった土方とそれを助けた伊東を全員で目にする風にし
駆け付けた松平が「丁度いい!お前も飲んでけ」と誘うも「いえ、私はいいです」とどこか軽蔑した眼差しで去ってく伊藤の見せ方にすれば
真選組だけでなく万事屋もこれから陰謀に巻き込まれるという両者の話が交差する劇場用の改変になってた筈ですが将軍接待の途中から伊東が強引に割り込んできてる印象。
三浦春馬くん演じる伊東鴨太郎
伊東役に三浦くんしか居ないと決め込むぐらい
影のある役や辛い目に遭うのが似合う役柄上、
チョイスは間違ってないし演者の功績上活かせ様がある筈で
腹に一物ありな感じで演じ原作以上に
最初から周囲に心を開いてないと解る影のある点は三浦春馬ならではの演技といえますが
逆に終盤で抑えてた感情を表す場面
失礼を承知で述べると
三浦春馬らしくない…
三浦春馬くんといえば、酷いシチュエーションがピークに達した際感情を爆発させる演技が上手く
わた離(私を離さないで)で叫びながらガードレールを殴り付けたり黒歴史な実写進撃でも最後のさいごに感情を爆発させる演技力の持ち主だった筈なのですが終盤でのある衝撃的な場面
妙に間抜けさの残る叫びで伊藤及び三浦春馬というよりはクロちゃんぽい
その後、心の声ナレーションで静かに感情を表現する処理となり原作ファンは反感を買うでしょうがせめて命の危機に直面した際、孤独なまま死ぬ事への絶望と本質に求めている他者への執着を声に出して叫ぶ
三浦春馬の本領発揮出す場面で
前述した感情抑制の演技を布石として活かせられ原作とは違った伊東の魅力を開拓できた筈ですが
結果として演出がおざなりでシリアスな場面すら
パロディに見えてしまう起用した意味のない
はっきり言っておきますが三浦春馬君が悪い訳でなく活かせてない作り手の責任です。
活かせてないといえば前述した役者陣の誉め点も表面上の物ばかりで本質的魅力のギャップは引き継がれておらず
例えば終盤での万斉対忍者軍団の対決する
アクションシーン原作になかった見応えはありますが本来さっちゃんも参戦すべきでしたね
久保田正孝対夏菜の対決は盛り上がるだろうし
拘束されて亀甲縛りになる原作オマージュ入れておかないと単に夏菜さんは汚れ芸披露する為に呼ばれただけになるので勿体ない
川上万斉役の窪田正孝はハマり役で
真選組混乱に乗じて将軍暗殺を図る等映画用に
目的のスケールを上げていますが
今回の将軍は客である以外物語に絡んで来ず
原作では自由民主主義を重んじ万事屋とのすったもんだで酷い目に遭うと住人との交流と受け取り楽しむ理想の権力者でしたが今回将軍のコメディ部分のみに重点を当てた結果人間性がなくなり
突っ込み所を押さえる為に原作の影武者設定を
入れたせいで一人安全圏に佇む薄っぺらい人に
成り下がり出した伊東に続き出した意味がなく
万斉や高杉も今回計画した意味のないお馬鹿な人達になってる。
今回の改変部分が総じて弱く
キャラごとのエピソードや魅力が弱く水増ししてる印象すらあり結果ギャップの良さが欠如し
シナリオ構成バランスの悪さだけが露呈され
原作の動乱編が真選組の視点に集中していたのに対し今回は人物を増やし追加した将軍回をあくまで別個の話に分断しクライマックスに強引に絡めた事でメインたる動乱編の伊東に関するエピソードが唐突で感情移入しづらい本末転倒な作りとなってしまっている
修正案
万斉同様、伊藤の目的も映画用に目的の幅を
上げるべきでそれは何かというと
周囲だけでなく産みの親からも否定されてる故に他者に自身の存在を認めさせるのが伊藤の表面上の動機ならこちらも大幅に変えて
今回将軍暗殺を目的にしている万斉の様に
近藤だけでなく松平暗殺も対象にし
攘夷志士の反乱に見せかけるのなら
真選組そのものを壊滅させ更に松平をも亡き物に自分が将軍を守ったという功績を作って絶対的な権力を手にし自分の存在を認めさせる事を目的に強調すれば根本である他者への繋がりの執着が増し鬼兵隊とは互いに利用し合ってる関係上、
逆に捨て駒にされる哀れさやその後の感動も増しますし
今回決戦が路面電車と城の位置や距離が
全く異なるのもどうかと思うので
あの映画用に大胆にアレンジされた天人に管理された城のデザイン上、回りが残骸絶壁でもおかしくないので本来あの列車が向かう場所将軍の城にすべきで
場所の設定変えるだけで
籠城戦の映画ならではのクライマックスの
ハラハラ感は増し
将軍も前述した人間性をちゃんと引き継ぎ
民衆である万事屋との絆や自身を守る真撰組との繋がりで成長も見せるべきで影武者で温泉浸かってましたは完全論外なので
本来あの伊藤の顛末には将軍もいなけなければならず自分の知らない所でこんな悲しい事があったのを実感しだからこそ今回の件を通じ
天人に従ってるだけの幕府に世直し改革を持ちかけれる風にすれば後々の原作への展開に繋がる場面に持っていけた筈で
今回単体だけ観てると伊東が何をしたいキャラなのか解りづらい…
改変ネック
改変といえば、前回の妖刀と被るからか
トッシーとなる原因が今回マイクロチップと丸ごと変えておりこれが後々伊藤の策略等は良しとしてチップに関する由来は曖昧且つ適当に処理され
妖刀に宿ったオタクのエピソードを入れると反感買う故の誤魔化しでしょうが改変した事で本長編に関わる大事な根幹部分を捨ててしまっている
動乱編で盛り上がる場面の一つが
ヘタレオタク化したトッシーが最終的に自分を取り戻して犬猿の仲であった銀時に礼を言うくだり
ですが実はもう一方、元の妖刀で生まれたトッシーの設定が実は大事な要素で
もうやだ…とグズるトッシーが近藤の言葉、
回りで戦ってる真選組に触発されビビりながらもオタクなりの意地で立ち上がる
刀の支配を破ったというよりは
刀に宿るオタクの魂ことトッシーが周囲から
必要とされる状況の中、大切な物を守りたい土方の魂と共鳴し合う
自分の殻に籠った存在が自ら殻を破る
動乱編の大事なカタルシスで伊藤との対比にもなってましたがマイクロチップにした事でざっくり省略され
原作同様なのに意味合いは異なり結果
オタク=完全悪として排除される対象としてしか
機能していない
これが福田作品として凄く反してる無神経な場面で福田監督がインタビューで
「大事なのは笑いとリスペクト」と公言しており
リスペクト=愛で福田作品本来の魅力は
オタク的作品愛を持つ作家性であり
だからこそ勇者ヨシヒコ等の時代劇物を
流用した様ないくらショボいセットでも根幹に 愛 があるからこそ今尚支持された要因ですが
それを自ら無意識に裏切る無神経な演出が
本作一番の欠点となっています。
せめてマイクロチップにも原作同様にヘタレの魂を宿した設定にしラストに土方でござるを入れておけばこういうネックは起きなかった。
まとめ
コメディ的要素や役者陣は大変豪華でサービスも前作以上に充実を目指してるといえる作りですが表面上の話で
チョイスした長編と日常回を融合させたという割りには上手く絡められず演者とキャラの魅力等まだまだ発揮出来た筈なのでは?と素人目線でもアイデアが生まれてくるぐらい散漫な印象が拭えませんが
良いところはあり役者陣もイキイキ演じられアクションシーン等の見せ場等も充実しており
特に変えた点で良いと思ったのが
動乱編の顛末が原作の夜明けから夜に変更され
暗闇が伊東の内面を表し求めていた他者との絆を光に包まれ回りを照らす表現は原作以上といえますが
それ故に前述した問題点が解消されれば
この場面の感動を活かせられた筈で勿体ない
トータルすると前回の成功を受けた
ノリと勢いだけで本作を作り活かせられない
アイデアだけがそこにある福田作品としても銀魂としても中途半端さが残り
今回チョイスした長編へのチャレンジは結構ですが内容上 分が悪かったのでは?と思わせるので
シリアスパートに関しては福田単独でなくプロの脚本家雇うにすれば違う結果になってた筈
余談ですが 動乱編でなく芙蓉編だったらを想像
芙蓉編でも映画成立させそうですが(^-^;
続編について
なんだかんだで今作もヒットしてるので
(福田作品に慣れてるのもありますが)Twitterで
「これはもう3決まりやろな」と呟いておられましたが…
正直今回の見る限りノリだけで描くのは今作以降が限界なのでは?と思いますし悪気がない分
いくら空知先生公認の保険があるものの
銀魂というコンテンツを扱う以上
言い方ってのがあるだろうと
世の中の事は3で失敗する銀八先生回を見てから
仰ってください
前回はDVD買って正解だなの感想でしたが
今回レンタルみた時点で…
結論
おすすめ度 ★★★