バイオハザード7のレポート二回目です
二回になった理由は前回の記事が長文になり過ぎて投稿範囲の文字量がパンパンになってそのままでは記事を更新出来なかったからです(^-^;
前回のテーマ「没入感」を鍵に引き続き語らせていただきます
ハジけるベイカー一家と
新Bow
本作を彩るヴィランこと象徴として描かれる
狂気のベイカー家やクリーチャーなどイーサンことプレイヤーを本気でころしにかかるそんな敵達を順番に紹介
ジャックベイカー
体験版ラスト「お前も家族だ」からの鉄拳より
本作のシンボルのジャムおじさんならぬ
ファミパンおじさん
声はウルヴァリンや龍が如くの伊達さんなどで
お馴染み山路さん
序盤はファミパンおじさんことジャックとの追いかけっこ且つかくれんぼでそんな狂気の家族の大黒柱はスコップや斧等の狂気を持って襲いかかるコンセプトはガナード、マジニ等4以降の敵と同じですが
レオンやクリスだったら従来の様に頭撃って怯ませてからのフィニッシュブローで簡単に退けられたでしょうがそれは旧作より操作がスムーズになったTPSタイプでの話で
今回は大きく変わった主観操作に慣れきってない初見の段階でジャックが容赦なくプレイヤーをイジメにかかり
作り手もインタビューで公言してる通り追跡者ネメシス等過去作に出てきた追いかけてくるタイプで過去のガナードが字幕なしで何喋ってるか解らなさを怖さのウリにしたのに対しベイカー家は台詞がはっきり解る感じでのキャラを立っており
普通なら人間的に見え怖さが死んでしまいがちですが何度倒しても蘇り何より序盤の装備の頼りなさも相まってプレイヤーを執拗に追跡し追いかけてくる等始めて4観たときのゾンビと違い明らかに見た目は人間なのに狂気を宿して襲いかかるガナードの怖さを思い出させ
特に「イーサン イーサぁン イーサァァァン」と隠れてる筈なのに本当はこちらの存在に気付いてわざと弄んでるのでは?と疑いたくなるなど
台詞はどれもユーモアが効いてる分残虐性や狂気を滲ませている背筋が凍らせ
いざ見つかった際の追われ捕まる時の感覚は
以前のラジコン操作やTPSタイプの頃ならカメラを動かせ追いかける側の距離を確認できましたが
FPSの主観だと逃げる間追いかける側の姿を
後ろに振り向かない限り確認出来ず代わりに
足音が次第に大きくなり相手が背後から迫るプレイヤーの神経を逆撫でする
迫り来る殺意
4や5でのゾンビと異なる人型の狂気に近い怖さがあり特に廊下を走る際の壁を破壊して歩く演出は何周してもビクッとさせます(^-^;
ただ地下にまで追いかけてくれないから
序盤のボスということを考えるならもっと徹底的に追いかけて欲しかったところです。
シンボルといえる存在感なので退場してしまったら勿体ない感じでしたが後半以外な形で再登場したときはうれしかったりもグロかったり(^-^;
マーガレットベイカー
一見ジャックよりマシな感じのおばちゃんですが虫を操り口からムカデを出したりとスペルに出てくる主人公に呪いをかける婆さんを彷彿させます(^-^;
後に化け物化するときのグロさは正直ヤバく
弱点の箇所があそこだったりと造形は漫画★太郎作品に出てくるババアに通ずるものがあります(^-^;
ルーカスベイカー
不良 根暗 ネット中毒者 ヤンキー
作り手の嫌いな要素を全て詰め込んだかのような
人物で序盤の食事シーンから挑発気味に食べ物?やお皿をコチラに投げつけてくる等、悪魔のいけにえにも出てくる同じヤンキー息子をあからさまに彷彿させ両親のインパクトが出かかっただけにパッと見ザコっぽい小物感が強かったりしますが
両親みたいに直接襲いかかることはなかれど爆弾などsawをモロに連想ささるひねくれた彼の性格を表したようなトラップを仕掛けてきたりゲーム中で確認できるファイルを見れば第一印象で舐めてたコイツが実は一番恐ろしい存在だったことが判明しこの7テーマの本質に大きく絡んできたりしますがそれも後程詳しく
そんな主人公のイーサンを食い物にしかねない
ベイカー家にスポット当てがちですが従来のお約束ゾンビに該当する新BOW
モールデッド 別名カビ人間
体験版の最終版から登場した人型に黒い植物がグルグルに巻き付いた様なクリーチャーで骸骨の様な頭はエイリアンぽかったり鋭い歯の無茶苦茶な歯並びなどシンゴジラを人間サイズにしたようなデザインながら神出鬼没に現れる亡霊の様な雰囲気に植物状の質感等含め藁人形を思わせる見た目
人型と四つ足型と肥満型と後は昆虫だったりと
歴代バイオより種類は少な目に設定されてますが
単体は驚異ではなくてもFPS本作の慣れてない段階では攻撃が当てづらく何発も撃たないと倒せないしイチイチ相手にしてると直ぐ弾がなくなりそれだけなら避けて進められるも旧作を意識した狭い空間で複数に囲まれると直ぐに挟み撃ちになりゲームオーバーと一作目からのゾンビに近い対処が求められ
後半から出てくるクイック型などリッカーよりもハンターと同じすばしっこさと致命傷を食らう攻撃などプレイヤーを翻弄させ
肥満型の酸攻撃など下手したら相手のパターンにはまりすぐにやられ しかも体力がデカイので銃弾もすぐに減らされ今回クリーチャーの種類は少な目ながらも濃さで勝負され
一作目のような廊下の曲がり角からにゅうっと出てくる配置のいやらしさなど一作目を意識しながらもFPS主観ならではのプレイヤーへの恐怖を与える役割を全うされております。
既にゴールドエディションなど完全版の宣伝絵やサイトで既に顔出しになってるからここからネタバレしちゃうと本作最大のヴィランとされてる
エヴリン
少女が悪役といえば映画版のレッドクイーンですが今までの歴代バイオの悪役の中では一言じゃ済まされない程設定が深く本作の真の主人公じゃないかと感じ
最初は本当憎たらしい度の越えた悪ガキとして描かれますが終盤で確認できるファイルや最後に明かされる正体が本編の要所に登場していた意外な人物だったり境遇や根底にある動機などは一作目リメイクに登場したリサ・トレヴァーを思い出させるものがあり
温もりを知らない孤独な環境に育ったが故に本当は愛されたくて家族愛を特に母性愛を求める動機だがそれが皮肉にも回りから拒絶される加害者になってしまう点などバットマンリターンズのペンギンやアメイジングスパイダーマンのエレクトロを思わせる哀れさや悲しみがあり
家族愛に飢え結局本当の願いが叶うことがなかった部分は仮面ライダーZOに登場したネオ生命体を特に連想させ
正体が判明するあの場面と台詞は正直泣きました
一番の黒幕とされてきた筈の人物がもう言葉を交わすことすら出来ない程の状態にまでなっていたMGS4黒幕の真実以来の場面でした。
敢えて真実を語らない
謎に満ちたストーリー
一作目をなぞりつつ従来と大きく変えているのは真相を逢えて詳細に語らない方式をとっていて
従来のバイオ劇中で起こる生物災害などどれも
その背景に組織の陰謀など根底には引き起こした人間の欲がシリーズを通して描かれてきましたが
本作「7」で明かされるのは如何に生物災害が発生し狂気の一家が誕生したのかのみで従来の人間のダークサイドの説明は劇中ハッキリと明言されずファイルや劇中の描写で匂わせる程度に留められ
そのまんまの文脈で捉えると一見全ての元凶に見えるエヴリンもあくまで表面での話に過ぎず
後半イーサンに語りかけられるこれまでになかったある場面から本編での悪役は一人を除き真に悪と呼べる人物はおらず全員加害者でありつつも被害者ということになり
百パーセント真相に達したとはいえず従来で描いたような物語の背景は劇中拾える資料や匂わせるヒント等を整理しながら本編の背景に実は隠されている裏のストーリーの真実を各々の解釈でプレイヤーに委ねられる「ナラティブ」方式が取り入れ
今回劇中説明でなく没入感バイオとしてスタイルに集中力させる為、実際にプレイヤー自身が体験し断片的に散りばめられたヒントを辿り真相の究明を求める一作目リメイクのトレヴァー家の悲劇の考察に近い裏ストーリーが直接的でなく間接的に描かれこの辺はいずれ出るであろうファンガイドブック、アーカイブス3でも触れると思いますが
劇中で悲劇的な死を遂げてしまうある人物も実は生き延びているのでは?と暗示させる部分もインタビューで触れられておりますが直接的には描かれないストーリーを想像させる手法も過去バイオ
よりも強調され
例えば上述した劇中小物だと思ってたルーカスが実は…とある日記の内容を見れば彼のみ他の家族と一線を画す秘密があり何故彼のみこのような設定にしたか考えると
本当に恐ろしいのは人間
同じカプコンの名作デッドライジングのテーマの本質に近く従来のアンブレラの様な人間のダークサイドを象徴してきた組織はファイルの単語で存在が匂わせられるのみで裏で仕組んでいたウェスカーの様なスパイは劇中直接出して明言しない代わりに
本作で描く 狂気 も人間なら誰もが抱く闇として描かれて劇中のベイカー家達は元から心の奥底にある闇を特異菌が突けこんで表面化された事でああなってしまったものであり実はなんでもかんでもウイルスのせいだけにすることは出来ず
デッドライジングはゾンビだらけの極限状態で
正気をなくした人間がサイコパスとなりその様はゾンビより恐ろしい驚異でしたが
描かれる事件も自然災害ではなく発端は人間の欲という狂気で
実はバイオハザードシリーズすべての発端がアンブレラやバイオテロなど人間が引き起こした皮肉が裏にあり
今回その人間のダークサイドの象徴がルーカスで
皮肉なことに我々人間の写し鏡として描かれ
今回副題が海外名のレジデントイービル(邪悪なる居住者)は彼の事でもあるしその根底にある狂気を示され後から配信された後日談Not a heroをプレイすればわかるように本編で終始悪役として描かれるもその根底にある動機を辿れば同情の余地があったエヴリンとは完全に対となる対照的な存在として描かれ詳しくはnotahero編に語りますが
ホラーには根底には因果関係が多いことを考えれば劇中一番の被害者として描かれるベイカー家も前述したルーカスの日記に書いてる一件で知らなかったでは済まされない過去が秘められ彼がサイコパスになるのを防げたやもしれなかったり
一方で事件の発端とされるエブリンによる生物災害もちゃんと話をみれば実は未然に防げた事が明らかというある種の因果応報が招いた結果ともとれて
そう思うと面白いのはここから没入感がテーマのゲーム性の部分にも絡む部分ですが
プレイスタイルで主人公への印象が変わっていく
前述した本作は従来の様にストーリー状ハッキリした真実を伝えていないので初見のプレイ次第でプレイヤーにとっては苦難を共にしたイーサンへの印象が大きく変わる作り手も偶然なのか作り手の意図的な物か結果的にある仕掛けがされ
バイオハザードなのでネタバレすると
最終的に主人公は生還するお約束は今回もありますがこれまでの主人公は皆色々あったが脱出した 生 の喜びを実感する物ばかりでしたが今回は従来より印象がプレイヤーのプレイ方で違い
本作7が出た辺り初見でどのくらいいるか解りませんが最速クリアなどネットで記事になりましたが実際に劇中ちらばってるバックストーリーのファイルを完全に無視してタイムアタック式な状態で本編を終えれば脱出後のイーサンの台詞に百パーセント同調したものになるでしょうが
何周も回って裏のストーリーを知れば知るほどの状態でクリアすればこのイーサンの台詞は「ん?」と言いたくなるぐらい非常にとってつけた感じの物となり
台詞部分を引用すると
苦しめられたのは俺やミアだけじゃない
ベイカー家もそうだ
あの化け物 エヴリンに変えられてしまった
正直このイーサンの台詞には興ざめで
なんでこんな興ざめになったか考えれば
確かにイーサンは奥さんを探しに訪れたら
いきなりその嫁に腕を刺されるわチェーンソーで腕を切られるわその後ベイカー家や化け物にいじめ倒されわで散々な目に遇うのですがそれはあくまで彼の主観の話でプレイヤーとシンクロしていたイーサンは劇中の様々なファイルを手にとってプレイヤーと同じく目を通してる筈で
特にエヴリン関連のファイルをみればその背景に人を人と見ないおぞましい実験をしていた組織がいたので普通なら生還しても素直に喜べない複雑な心境となる筈がこのイーサンの台詞を聞いた時
「おまえは今まで何をみてきた?」
とイーサンの口からエヴリンを化物と簡単に切り捨てたのには正直失望したし致命的なツッコミなだったりしますが結果的に今回の体感バイオへの落とし前とも受けとれ
本質的なストーリーを奥深く理解するため
プレイヤーに想像させ真相を考えさせることを前提に置かれその方式で言うと主人公のイーサンは考えようでは自己中心的な物凄く嫌な奴かもしれないと匂わせ
今回エンディングに関わる究極の選択でバッドに確定する選択した人物二人っきりになったとき際本心ではないんだろうけど実質酷いことを言ってますからね
「ミアは変わってしまった 二人なら脱出できる」
あの台詞のアウトな割り切り後に迎える最悪の修羅場後にエンディングを迎える際に例の台詞を聞いたとき言えるのは
その結果招いたのはお前の責任でもあるからな
イーサンは一般人で個性が薄いがそれ故に感情移入させる人物像ではありますが良く言えば人間的だが言い方を変えるとアホの子で両方のエンドを迎えた際に抱いたのは実は都合の悪い何かから目を反らして生きてきたのではないかとも受けとれ
られてしまうのは
実はプレイヤーと決定的な溝が出来る
究極の選択後の後半に違うキャラの視点に代わり
後半の船で起こった過去を知るのはプレイヤーのみでその間イーサンはというと気絶したまんまなので本来なら彼自身が知らなければならない真相を知らず仕舞いで終わるので
今回のグッドエンディングでこれから失った時間を取り戻し前を生きるんだみたいなこと言ってますがミアが隠している秘密や抱えてる責任をイーサンは知らないままなので実は色んな疑問が浮かぶものになっており
例えばミアにはベイカー家の変貌は自分のせいでもあるしPSVR用コンテンツで描かれるキッチンでは正気を失っていたとはいえ事実上普通の人間を殺害しているし
一番の気がかりが
仮に元の夫婦に戻ったとしても避けては通れない 子育て の現実にどう向き合っていくかがエヴリン後の一番の気がかりで
そう考えるとイーサンが幸せでいられるのはあの冒頭の美しい風景に戻る瞬間が一番のピーク絶対この夫婦がうまくやっていける筈がありませんからね(^-^;
だってイーサンの視点であってミアの視点じゃないもの
そう疑問を最後の最後に生じさせるのは
プレイヤーの分身として描かれたイーサンだがエンディングのプレイヤーと考えが一致しない発言は既に彼はプレイヤーから離れシンクロしなくなりある種関係が終わり他人も同然の存在となり
それはプレイヤーがゲームをクリアしてコントローラ🎮を置いて終了するという結果メタ的演出になっていると解釈出来MGSVにおけるヴェノム=プレイヤー自身のメタ的場面と対照的となってます
MGSVはあの場面の演出は良かったのですが言い変えるとそれだけでその場面に至るまでの経緯を作らせてくれなかった結果すっとばしたことによる言い訳になってしまいこの後ヴェノムは後主人公ソリッドに倒されてしまうので彼とプレイヤーを切り離す 落とし前 を付けて欲しかったと思いそれを今回のバイオ7でひょっとしたらプレイヤーが二度と起動しかねない様な落とし前をメタ的に入れてくれたのは一番の美談でした。
因みに主人公イーサンがアホの子で奥様がスパイだったのを知らないといえばMGS2における雷電ばりの単純軟弱石頭といえます。
三回目へこのレポートはまだ続きますm(__)m