
「鉄拳 kazuyas revenge」
あらすじ
人気格闘ゲーム鉄拳をケインコスギ主演で
実写映画化、記憶を失った主人公、一八は貧民街をさまよいつつ一人の女性と運命的出逢いを果たし、宿敵三島平八と対峙する
レンタル店で半ば衝動的に選んだのが
後の祭りと知るのはもはやいわずもがなというべきか…
元の格闘ゲーム「鉄拳」は小学生の頃に
アーケード版「3」でラスボス、オーガでプレイしてから知り
こんなクッパみたいなラスボスでプレイ出来るんだと格闘ゲーム下手っぴな自分でも物凄いハマった思い出で
元のゲームも無印の頃、あまり知名度がない下積み芸人さんみたいに紆余曲折しつつ徐々に現在の様にシリーズをリリースするほど愛される作品になった経緯があり
どういう話しか一言でいうと「親子喧嘩」
厳格な父親、平八に谷に落とされてから
父親嫌いになった息子の一八が父親打倒を目指し最終的には巨人の星的和解ENDではなく仕返しに谷底に親父を投げ込んで
ドヤ顔する従来の正当派主人公とは一線を画す悪役が主役でしたのゲームで
続編ではラスボスと主役立場逆転して
親父の平八が息子一八を倒して今度は
火山の噴火口に投げ込んでドヤ顔する
実はとんでもない内容(褒めてます)
シリーズが進むに連れ孫や親戚等も巻き込んで現段階世界戦争にまで親子喧嘩のスケールが発展する世界にとってはえらい迷惑な話。
現在最新作7でこの決着が描かれるか期待
さて鉄拳実写化といえば2010年に既に
やってた訳で、内容は原作をベースに反映しつつも完全に別物ですがキャラのルックスとかは元のゲームを反映してリスペクトは感じるのでコレはこれでアリな作品でした。
今回実写版の洋題「2」ってなってて
えっ前作の続編なのかな?と思って
鑑賞した結果…
思ってたのと360度違う(-ω-;)
主演がケインコスギでしかも一八役なのでてっきり今度はゲーム版第一作目をベースにしてるのかなと思ってたら予想より遥か下↓にいく内容はハッキリ別物です…
悪い意味で
世界観は鉄拳シティという強者や金持ちしか住むことの許されない街があり弱者は外の貧民街で暮らしてると一応前作の
ディストピアSF物の設定を反映しつつも
特に繋がりが明言されないどころか
ストーリーが解りづらい
何故一八が追われの身になり記憶喪失になってる等の明確な理屈や伏線が
ないためどういうスタンスでこの作品を観ればいいのか全く解らないまま進行するので混乱させられる。
更に記憶喪失の設定に拍車が掛かって
原作では嫌いな親父を倒すというシンプルな目的があったのに対しコチラは記憶がないため失った記憶を取り戻すぞ!みたいな感じに話が進まずフラフラするのを
延々と見せられる しかも長いし盛り上がらない…
こういう感じはせいぜい20分半ぐらいが限度なんだけども30分一時間経っても
フラ~っとフラ~ッとしてて
いつの間にか記憶を取り戻すんだけども
カタルシスがあまり感じさせてくれない
観ててとにかく頼むから誰かと殴り合うとかのバトルを見せてくれぇ!と心から叫んでました。
原作が格闘物なので
原作とは無縁のオリキャラ(モブ)と一八がカンフー的バトルを見せてくれるけど(正直それすらなかったら衝撃的だが)
これが全く盛り上がらない…
昔のジャッキーチェンとかその辺りのバトル描写をつまみ食いしつつも結局はそれらの劣化版といった印象で前作の実写鉄拳は
一部武器等を使ったりと原作とかけ離れつつも格闘物の一線はギリ守ってたが
今回は特撮ヒーロー物の方がまだ
頑張ってる程、この作品で盛り上がるべき場面がこの有様なので観てて熱意が
上がらないし先程のグダグダ感も相まって正直今更な感じで何が起ころうがどうでもよくなってくる。
折角ケインコスギの肉体美を活かせすならばせめてもっと血反吐吐く様な凄まじいバトルが観たいですね
モータルコンバットとかで
技やコンボが炸裂した瞬間、打撃受けた体の部位をレントゲン越しで骸骨バキッとひび割れたりグシャァッと観てて痛ったそう!みたいな所とか再現するべきで
スピンオフのゲームでこういったフレッシュな描写があったのでそれを取り入れて欲しかったところ
あとパンチやキックとかはっきり身体に当たってるように見えず空振りしてる様な
残念アングルも観てて興ざめポイントで
鉄拳という題名を活かすならばパンチとか顔面に当たった瞬間スローアップで殴られた側の顔の肉がブワァ~っと振動したり
拳の形にヘコんだりとか何でもいいから
もっと肉体と肉体のぶつかり合いや両者の
弾ける肉の音とか響かせてほしかった
それがないという途中何度もスマホや3DSに手を伸ばしかけるほど退屈な思いをして画面と向き合わされるハメに
それらを埋めるかの様に入る恋愛描写も
かなり半端というかそれがやりたかったんだろな内容で
原作だと風間準という北斗のユリア的
ヒロインといつの間にかできちゃった婚してる一八ですが今作では無縁のモブだけどチンピラに絡まれてる無駄に可愛い子を
一八が助けるまあありきたりな展開は良しとして
殴られたチンピラ二人が「覚えてろ!」
今時な捨て台詞は置いといて
そっからこの話の謎テーマへの鍵となる
ヒロインと段々親しげになっていって
13日の金曜日お馴染みH ベッド in と
なりその後なんやかんやで娘がさらわれて
原作ゲームのシンボルことラスボスの平八
が出てきますが
これがゲーム好きなら一番 鉄拳を食らわされる場面となっておりまして

コチラのおっさんは小日向文世さんでは
ありませんしビートな○けしではございません 三島平八(cv銀河万丈) です。
(ΦωΦ)

コチラが原作の平八
何がぶっ飛ばされるってそりぁ
頭頂部のツル部以外パーツが
足らねえΣ(・ω・ノ)ノ
何だろうこの角パーツがなくなった未完成臭漂うガンプラみたいな感じは…

2010年版実写版では短めながらも
このシンボリックな 角 再現してたよ
吹き替えの中の人が前作同様銀河万丈さんのお陰でギリラスボス感は保ってるが
てことは前作と同一人物なのかな?
それにしても性格が正反対というかなんつうか元のゲーム寄りの悪役っぽくしてるが
因みに一カ所だけゲームに忠実なのは
足にちゃんと下駄履いてたぐらい
再現所間違ってない?せめて頭も再現してほしいわぁ
因みにこの単なるハゲ平八が今回の事を
仕組んだ黒幕らしいですがこの人が何を
したいのか解らない頭のおかしい(ツルツル)人にしか見えず
何やらジョジョのDio的な瞬間移動能力も
持ってますがやることはだいたい
息子の一八にあまり辻馬の合わない説教をしていつの間にやらヒロインっぽい子のハートをゲットし息子の目の前で
ディープキスを披露すると何故かその娘が死んじゃう色んな意味で鉄拳をかました
挙げ句取り巻きをけしかけてどこかへ去るやりたい放題の暴走老人であった。
最後は鉄拳大会でお前を待つぞ
=俺達の戦いはコレからだ的オチ
じゃあ今までダラダラしてたのは何だったんや時間返せやこの泥棒!と自分で観といて発狂したくなるぐらい脱力しました…
まとめ
正直、映画としてもB級としても中途半端とも言いたくないぐらい原作ゲームと前作実写の記号だけをつまみ食いしたような
感じで終わり
前作ではあれだけ原作ファンサービスを
活かしてたのにこうなるんだったらいっそ鉄拳じゃなくても良かったのではレベルのこんなの鉄拳じゃねえよとんでも映画でした。
せめて無印版第一作をベースに単なる
親父打倒を目指す話にしたほうが単純で
解りやすかったし何より記憶喪失にしたことで何がしたいのか解らないカラッポの
一八じゃんか!
前作との繋がりは曖昧でパラレルワールドかと思ってたら断片的に前作の鉄拳衆襲撃シーンが合間に挿入されるとどういう見方すれば良いのか混乱させられる。
散々貶して何ですがケインコスギを一八役なのは個人的に悪くないと思いましたが
記憶喪失設定を活かすならば記憶を失ってる間は良い人ででも本来の自分は極悪非道のゲーム寄りの人物にして本来の自分に葛藤しつつもヒロイン殺されたから父親打倒を改めて決意するみたいな感じに消化してほしかったところだし残念である。
そんな訳で結局何がしたい作品だったのかは解りませんでしたが本作と比べると
サイレントヒルリベレーションは傑作だと思えてきました。あと不快だと言ってた
るろうに剣心伝説の最期篇ですらもコレと比べると最高でした。
そういう意味ではお勧めできます。
結論
「前作2010年版を観るべき」
お勧め度☆