語 劇場版龍が如く  | マシュレポ(@ω@)y-゚゚゚

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「強いていえば岸辺五郎はハマリ役で頑張ってたよ!でも…」



「劇場版 龍が如く」
あらすじ

人気シリーズ龍が如くを三池崇史監督が
実写映画化。
かつて堂島の龍と呼ばれある件から出所した桐生一馬(北村一輝)は母を捜す少女遥と共に神室町を駆け回る
しかし桐生の命を狙う東条会のヤクザ達と
宿敵真嶋五郎(岸辺五郎)が立ちはだかる


三池崇史監督作龍が如く これ以前に
作られた原作一作目の前日談にあたる
龍が如く 序章 を監督し内容は
原作では描かれなかった桐生、錦山と由美のアサガオでの青春時代が描かれ
台詞のみの存在だった錦山の妹が登場したりと前日談としてキチンとつくられ一作目の補完にもなっていた作品でした。

序章を観ると龍が如く0をより楽しめる感じだったので悪くない出来なんですが…

成長した桐生の役に船木誠勝なのが正直いってキツかった…((´`:)
桐生さんにしてはいくらなんでも老けすぎなのと錦の役者の印象もホステスにしか見えなかったりと気になる部分はあるんですけどね…(監督の嫌がらせなのか不明)


…でゲーム0をクリアしたら1、2HD版がやりたくなる終わりだったので
当時かなり微妙だった記憶しかない劇場版をもう一度レンタルし改めて鑑賞

…したら   これで表現↓




うんつまんなくはないよ…でも

何だかなぁ…(´`:)

劇場版をつくる際三池監督は当時

「原作のよさをキチンと知る必要がある」

…と無印版「龍が如く」を3日かけて徹夜でプレイ(難易度easy)しクリアしたとのことから 志 は感じられる姿勢なんだけども…
その割りには…残念感が拭えず三池崇史監督は非常に多作で面白い作品もあればその反面ガッカリしてしまう作品もあり マイケルベイに共通する悪い癖として物語と関係のない悪ふざけ(単体だけみれば面白いんでけどね)が
相性が悪いミスマッチ感が出てしまってる

原作題材作で相性が良いといえるのは

ヤッターマン

神さまの言うとおりですが(忍たまは覚えてない…)

えっ?これ序章を作った人と本当に同じ
監督作なの?といえるぐらい残念な作品




北村一輝演じる桐生一馬がドン●ホーテっぽいところでいきなりチンピラたちと店内で暴れまわるくだりは原作の喧嘩バトルの良さを出してるし掴みは良いし
それから遥と一緒に行方不明の由美を捜すくだりも原作通りなんですが…

まず致命的なのが
桐生一馬が何故刑務所に入っていたのかや遥といつどこで出会ったのかなどの原作であった物語上の説明や経緯が一切なくただ出所しただけしか言及されないしいきなり犬に餌やってる場面に飛ばしちゃうから


元のゲームやってない人には非常にちんぷんかんぷんでかといってゲームやったファンが観てもう~んと首を捻ってしまう…


このあといきなり刑事の伊達さんから延々と説明が続くのでこのグダグダしてるなあ…

元の話上重要な東条会や消えた百億事件等 物語の根幹として描かなければならない要素や部分がかなり省略されてしまい
東条会が名前だけしか出てこないので単なるチンピラの集団が暴れ回ってる以外の
印象もないし百億の件と遥の繋がりも薄まってるので百億の取り合いも薄くなってるしあまり描かれていない

では代わりに描かれる劇場用追加した3つの別エピソード

「バカップル」
「立てこもり銀行強盗」
「謎の外国人スナイパー」

この3つのエピソードがそれぞれ同時進行するのだがメインの桐生さんのエピソードにあんまり交差しないし交差しなければ実は本筋と全く繋がっていかないだけ関係ない単なる蛇足になってしまっている…


この三エピソード中 哀川翔演じる刑事と立てこもり銀行強盗が完全に物語上桐生さんのエピソードと全く交差せず終始
三池さんの悪ふざけのためだけに作られたともいえる内容で(滝の様に出る汗とか)面白いといえば面白いんだけども本筋と全く関係ないのは前述した通りで

交錯するのはせいぜい薄着状態で札束拾うだけ

バカップルエピソードも桐生さんが喧嘩してる現場にたまたま居合わせてる以外全く別に交差せずそのくせにこの二人の尺が異常に長い!これ仮面ライダーtheファーストでいうとこのウエンツのとってつけたカップルに通じる蛇足でアレは一応交錯するっちゃするんだが不快なだけでコチラは単に関係なしのやはり蛇足か

本作で一番蛇足なのはこの二つで

もう一つの外国人スナイパーエピソードは3エピソード中面白く作れそうなアイデアでその気さえあれば龍が如く2への伏線になり得たんじゃないかととれるんですが
この外国人スナイパーが結局原作でも出てくる黒幕をターゲットにしてる以外機能していないし龍が如く2の黒幕に雇われた等の説明は一切なく結局正体が解らずじまいでそのへん中途半端だなあと思ってしまう

これらが本作の質を落とすネックで
面白くしようと思えば銀行強盗のエピソードはなしにしてさっきのバカップルとかは
原作キャラの田中シンジ的ポジションにし桐生に勝手に付いて来て後から
物語の背景をこの二人に説明するという
ある種龍が如くをやったことのない人へのメタキャラに出来るはずなのにそういう役割を一切託してないので何の為にこのエピソード達をくっつけたのかホント理解に苦しむ…

でも
岸辺五郎演じる真島の兄さんこと真島五郎は本作で一番ハマリ役で
同じ五郎が付く者同士なのかかなりの
シンクロっぷりで眼帯が左右逆なのは演じている岸辺さんの利き目の関係なのですがそれを覗いても

あっ!真島の兄さんだ!と納得できる演技で街中 桐生ちゃ~んと歩いてショットガンぶっ放す姿とか後のオブジエンドで逆オマージュされたと思えるカッコイい描写とかドスを振り回す描写とか原作の雰囲気をキッチリ活かせてるしバットで殴りかかる凶暴性とか誰がみても真島五郎といえるんですが最初バッティングセンター内で桐生との死闘を観たとき

「えっ?真島の兄さんてこんなに弱くないやろ」と感じるやけに呆気なさと原作の様にあんまりカッコイい部分がなく残念ながら原作より薄まっちゃってるところがある



クライマックスのラストバトル
錦山との対決も真島の兄さんと比べて凄く存在感のないだけの薄っぺらな人物になっててぶっちゃけイケメンじゃなくなってるのもあるし…

原作では非常に重要なキャラで
元の話は消えた百億の鍵を握ってる遥かつての親友だった錦山との対決が元のオリジナルの見所だったはずなのに映画版では
明らかに弱まってるので賛否が出るのは
仕方ない…

最後の名台詞もないし
気絶してる間に爆死する始末 
いくら何でも非道くないコレ?

どうしてこうなっちゃうのかといえば
序章を真面目にやっていた反面劇場用では
あんまり関係ないエピソードに尺使ったのと何より真島の兄さんにスポット当てた分肝心の錦が存在感が薄いだけになっちゃってるという結果に


改めて序章と劇場版の二つを見直して
解ったのは三池崇史さんなりにリスペクトと志を持って作られたのは確かなのだが

リスペクトした部分が本題のストーリーよりも

ゲーム的部分&サブストーリー

多分コチラに感化されたんじゃないかな?
3つのエピソードの描き方とか元のゲームのサブストーリーをもし三池さんが脚本してたらこうしてただろう

でも本編に繋がるようにしたいといけないのは明らかなわけなんですがどうしても
嫌いになれないのが三池崇史流お約束の

      悪ふざけ


三池さんの悪意を感じさせる要所で見かける部分では銀行強盗エピソードでの滝の様な汗(;゚ロ゚)だったり原作でいうとこの
サイの河原のポジションに当たる代役の
情報屋として描かれるM男の心底の気持ち悪さ

真島の兄さんにボコられて気持ちよさそうにしてるあの顔とか遥に

「Mって何?」

「知りたい?Mってね…グホドキドキ

桐生パンチ

「コレ…が…エ ムドキドキ


あのキャラ自体かなり笑ってしまったりとか龍が如くのパロディとしてなら楽しめなくはないんだけどもどうも公私混同しながら話がガンガン進んでいくんでどんどん
置いてけぼりにされていく感覚で


ここ一番最大級の悪ふざけクライマックス

として待っている例えでいうとアレです!





桐生さんがポパイ化する






ポパイでいうとこのほうれん草を食べて
それにスローで驚愕するチンピラ達のあの表情と声が印象的で

このあと銃傷?そんなの関係ねぇ!といわんばりに大逆転する場面に
三池崇史さんが最もリスペクトを感じる
シーンでロケハンでゲームで何度もやられそうなときに誰もが最もお世話になったであろうこれは唯一龍が如くファンが共感しやすいところでこれをやりたかったんでしょ?!三池さんそうくるとは思わなんだ

でも映画でそれやるといくら何でも酷いよ…

まとめると
元のゲームの劇場用としては序章が真面目に作られていたのに劇場用では明らかに真面目にお話を語ってくれないし変わりの
サブストーリーの導入は拍車をかけるだけの結果になっているんですが真島五郎こと岸辺さんがはまり役な分それ以外の人物がどうしても薄くなってしまうし東条会の面々も下っ端以外全然出てきてんないのと

なにより真島の兄さん出すんならせめて
嶋野の親父を出そうよ…めちゃめちゃ
おっかなかったんだからさぁ

良かった点といえばやっぱりクライマックスでここにきてようやくリスペクトを感じるのがキター(・∀・)でもそれはゲーム的要素なんだよね…


龍が如くの実写版としてはイマイチですが
少なくとも全くリスペクトを感じさせない
平野博寿て人が描いた何ちゃら愚作とか
青い粘土細工の怪物を単に商売の為に
映画にした様な汚物なんかと比べたら

はるかに愛情や志はもっているし
ただその方向性とやり方を誤っただけで
せめて悪の教典や13人の刺客ぐらいに
本気で真面目に作ってたら間違いなく
違う結果にはなっていたので
 

結論

岸辺五郎ちゃん演じる真島の兄さんと
何よりクライマックスに出てくるポパイシーンはある種映画史に残る珍シーンは
必見



オススメ度 ★ ★