読者から「海辺のカフカ」の読後感など専用HPを介して作者・村上春樹に8000通余りのメールが届いたらしく、この中の1230通に村上春樹が返事を書いたものがまとめられている。

 

冒頭のインタビュー部分を抜粋

 

僕がやるべきことは、僕に与えたものの重みや意味を誰かに説明することを言葉で説明することではなくて、物語という新しい土地に移し替えること、物語的にそれを俯瞰すること。僕はそこにあるビジョンを、フィクション総体にぱっと焼き付けてしまう、それはまるでレインマンが床に散らばったおはじきを数えるときのように、光景を静止したビジョンとして自分の頭にぱっと焼き付けることができるんです。

これがフィクション化ということなんだ。極端な言い方をすると分裂症的な世界に近くなっていくんだ。別に自慢するわけじゃないんだけど、僕の小説は基本的に解析には向かないというわけなんだ自慢じゃないけどね。

小説、物語を書くというというのは経験していないことの記憶を辿るという作業なので、あなたは未経験のロールプレイングゲームをさせられているようなものなんだ。

わからないところに、ゼロから物語を立ち上げていくから意味があるんだ。予想できるような物語には意味がない、でも僕には必ず意味のある結論に辿り着ける自信があるんだ。他人にはできない境地なんだよ。エヘン。

でもまだ辿り着けない境地があって、それがドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」のような総合小説作家なんだけどね。

「ねじまき鳥クロニクル」が一つのマイルストーンにはなってる気がするんだ、だってさ。

 

(でもこの手の小説なんて所詮フィクションだから鼻くそ程度のものなんだけどね。エヘヘ?、敢えていうなら僕は大江健三郎の作品こそが至高の物語だと思うけどね)

 

とあるのですが、この雑誌の編集長様に収まった村上先生がいきなり自分以外に自分の作品を分かろうとしたって土台無理だよと上記のとおりに言い放つ次第で、メールを送った8000通のファンは多少は唖然としたかもしれんへんな。

少なくとも「こんなふうにまとめられてしまうなんて約束(村上はそんな約束した覚えはないぜというが)が違うがな~!」言ってたりしてね。

 

村上先生自身は、「自分を流行作家とか呼ばないでね」などとの賜わっているんだけど、本音は違うんだと思う。

 

メールのやり取りで演劇のことでの何役がやりたいかというやり取りは、村上ファンからの要望を聞いてどうするつもりなのかわかりません。また、映画なのか芝居なのかもどちらの役かは今ひとつわからなかったけどね。

 

例えば

・「お芝居になるのなら乙組の岡持節子先生がしたい」→エロシーンはちゃんとできるの?(俺様)

・「お芝居の時は『星野くんに卵焼きを差し出すパーキングエリアのおばさん』役をやらせてください。」⇦その役はあなたにさしあげましょう(村上様)

・「個人的には私が演じるならホシノくんがいいです。すげーセックスもしてみたいし・・・」⇦そうですね。こういってはなんだけど「すげーセックスもしてみたいし」というのは僕も思ったりしまいます。でも、あなたは女の子だからホシノくんの場合とはちょっと違うような気がするんだけど・・・(村上様)

・「僕は(同じ岐阜県人のよしみと言うわけではありませんが)ホシノさんの役を演じたいです。」⇦星野くんの役、がんばってくださいね(村上様)

・「お芝居になるなら田村カフカ君をやってみたいです。」⇦そうですね、やはり17歳とくれば、カフカくんの役ですよね。がんばってください(村上様)

・「私がやりたい役はコイズミさんちのゴマちゃんです。」⇦コイズミさんちのゴマちゃんの役を希望されたのはあなたが初めてです。さしあげましょう。(村上様)

・「舞台化されたら、僕はトラック運転手のハギタさんがやりたいです。」⇦ハギタさんの役を希望されたのはあなたが初めてです。しっかりとお腹を出しておいてください。(村上様)

・「黒猫のオオツカさん(かっこいい!)の役がやりたいな、と思いました。」⇦オオツカさんの役をやりたいと言ったのはあなたが初めてです。今のところ競争相手はいません。良かったですね。(村上様)

・「舞台にするなら、やはり星野君ですね。競争率が高ければ「入口の石」がいいです。」⇦入口の石の倍率は今のところ2倍です。もうひとりは「気合いで体重を変化させることができる」と主張する女性です。強敵ですよ。がんばってくださいね。

・「お芝居の件ですが、やらせてもらえるなら星野ちゃんにクラシックのことを教えてあげた喫茶店のマスターがやりたいです。」⇦喫茶あしt店のマスター役を所望されたのはあなたが最初です。33歳だとちょっと老け作りが必要になりますが、まあ大丈夫でしょう。(村上様)

・「どれかの役を私が演じるとしたら、ジョニー・ウオーカーの「犬」が良いですね。」⇦おお、ついにジョニー・ウオーカーの犬役をやりたいという方が現れました。睾丸がまるだしになるので、ひょっとして希望者が現れないんじゃないかと心配していましたが、いましたね。(村上様)

・「私が希望する役はカフカ君をお迎えする高松駅の改札員です。」⇦台詞のないJRの職員ですか。さすが団塊の世代というか、もちろんその役は差し上げます。切符の切り方を練習しておいてください。(村上様)

・「お芝居になるとしたら、知事さんの役をやりたいです。」⇦わかりました。知事さんをまかせましょう。知事さん、出てこないんだけど、19歳だからメーキャップが必要だな。

・「ちなみに僕は、入口の番人の兵隊の背が低いほうの役を希望します。」⇦背の低いほうの兵隊の役を希望したのは、今のところあなただけです。台詞の練習しといて下さいね。(村上様)

・「出場権があるならば、大島さんを希望します。」⇦出場権は誰にでもありますが、大島さんはかなりの激戦区ですよ。(村上様)

・「映画化における配役希望のことですが、私はアジの背びれ(でしたっけ)で頬を切る主婦の役がいいです。」⇦アジの背びれで頬を切る主婦の役ですね。わかりました。その役を希望した人はあなたしかいません。頑張ってやってください。間違えていわしの背びれで切ったりしないようにしてくださいな。(村上様)

・「カワムラさんに『ちゃんとおとなしくおとなしく話をお聞き。この腐れキンタマ』と怒鳴りつけてみたいので、ミミの役、オーディションくらい受けさせてください。⇦ミミの役、がんばってやってください。そうですか、「腐れキンタマ」って言ってみたいんだ。どんどん言っちゃてください。誰も止めません。(村上様)

・「東京在住の22歳女です。私は女子大生の役がやってみたいです。そんなにすごいセックスに憧れます。」と「旭川に住んでるこももです。私は哲学を語りながら。ホシノちゃんを3度も行かせたセックス・マシーン役を希望します。」⇦憧れるのとできるのとは大違いだろうが、ボケ!オーディションを受けるまでもなくアウト!(村上様はコメントなしなので俺様から)

・「わたしは『ロードスター』ではなく、目立たないセダン『悲しきファミリア』の役でナカタさんと星野さんに貢献させていただければとてもうれしいです。」⇦マツダ・ファミリア役をやるのならやはり広島県の方しかないですよね。やってください。(村上様)

・「私は、空から降ってくるいわしを焼いて食べる”レポーター”役希望。演技が楽そうだから。」⇦いわしを焼いて食べる役はなかなか楽しそうだな。(村上様)

・「コイズミさんの奥さんに立候補したいです。鯖の味噌煮での切り干し大根でも牛肉とごぼうの炊き合わせでもなんでもタッパーに詰めて差し上げたいと思います。」⇦そうですね。ナカタさんのためにいろんなおかずを作ってあげたいですよね。(村上様)

・「僕は、カーネル・サンダーズの秘書がいいです。」⇦カーネル・サンダーズさんの秘書役ですか。わかりました。やってください。出番があるかどうかむずかしいところですが(村上様)

 

全てではありませんが、抜粋してみました。ホシノくん役を希望する人が多かったな。

でも映画にしろ芝居にしろ、人に見せるだけの能力がある人はいないでしょうから、ただのお遊びだとしか思えませんね。

 

 

 

と思ったら蜷川と組んでちゃっかり舞台化して大儲けしてやがるんだから