ツイッターを買収したイーロン・マスクが、従業員の半数を即時解雇した問題。

これに関して「週刊ポストの12/16号」で大前研一氏の記事を読んだ。

 

 

「今回の大量解雇については、ツイッターが赤字続きで、その最大の原因が人件費だから、手っ取り早い経営改善策としては間違っていない。

だが、事前通告なしの解雇は疑問である。

 

また、マスク氏は取締役9人も全員解雇したが、反論したら即刻クビにする傲岸不遜なマスク氏の下で働きたいと思う人いないだろう。

 

さらに、そもそも「言論の自由」を擁護するためにツイッターを買収したというマスク氏の主張も疑問である。

権力者や差別主義者などが自分の言いたいことをーたとえ法律の範囲内であってもー好き勝手に投稿できるようにするのは、決して言論の自由・表現の自由ではない。権力に対する言論の自由・表現の自由は保障されねばならないが、個人に対する誹謗中傷や差別表現は厳格に制限されるべきである。

もしかすると、マスク氏の”迷走”が始まっているのかもしれない。

マスク氏が天才的な発明家・起業家であることは間違いないが、ヒューマンスキルを兼ね備えた偉大な経営者とは言いがたい。

めだちたがり屋で喧嘩っ早い性格や、人を”道具”としてしか考えない癖は、複数の大企業を持続的に運営していくには問題が多いと思う。

 

筆者に言わせれば、「そもそもマスク氏がツイッターを所有する必然性は何もない。すでにある会社を改革するのは、発明家・起業家の任ではないからだ。

さらに迷走して”地獄”に向かう前に、真摯に経営者としての研鑽を積んで人を中心に考えるようになるか、もしくは有能な”伴侶”を見つけないと、いずれは経営から身を引かざるを得なくなり、特許料で稼ぐ財団などを創設するしかなくなるのではないか。」と語っているのはなるほどと思うのだがマスク氏にはどちらも無理な話だろう。

 

本日の東京新聞に「ツイッター 安全性助言の組織解散」の記事で、ツイッターサイトの信頼や安全性を高めるために助言する有識者組織「信頼・安全評議会」を解散していたことがわかったとある。同評議会メンバー3人が、マスク氏の独断専行や安全性低下に不服のため12/8に辞任していた。ツイッター社からは「ありがとう」というタイトルで「評議会は外部の知見をツイッターの製品と規約にもたらすために最適な制度ではなくなった」と書かれていたという。辞任した3人はマスクがツイッター買収後、同サイトにて「黒人やユダヤ人、LGBTQへの憎悪表現急増し、独裁者に支配されたツイッターに、われわれの居場所はない」と表明していた。

 

ちなみに「本能寺の変」の9年前、毛利氏の外交僧・安国寺恵瓊は織田信長について「高ころびに、あおのけに転ばれ候ずると見え申候」と予言していたそうである。

 

 

この意味は「いくら力があっても恐怖政治で他人を支配する驕り高ぶった者はいずれ失脚する。という意味だ。」だそうだ。

 

かのロシアの独裁者プーチンもそうあって欲しいものだが、信長が部下の謀反で命を落としていることから、どうやらロシアでのクーデターなどで失脚することしかなさそうですね。