皮剥ぎボリスというのは、作家・村上春樹の作品「ねじまき鳥クロニクル」で描かれる創作上のロシア人(本名はボリスグローモフ、ソ連内務省秘密警察・NKGBの少佐)のこと。

 

「ねじまき鳥クロニクル」では、日本と当時のソビエトとのモンゴル高原における戦闘・ノモンハン事件が、かなりの部分で語られており物語の主テーマの一つです。

 

しかしながら、日本が一方的に負けた戦闘内容は取り上げられておらず、大半はボリスの悪行三昧について間宮中尉による回想で語られる。

 

このボリスがいかに冷酷で残忍な男かが描かれていますが、「ねじまき鳥クロニクル」の主題である人間の損なわれかたについての主役級的な存在です。

 

この話では、スターリンのソビエトがいかに人を損なってきたか、いみじくも現在のウクライナ侵略を行うプーチン(国家保安局・KGB出身でスターリンの再来)の如く、どれほど人を損なっているかを見ても明らかなことだ。

 

ボリスは恐怖の極悪制裁人ベリヤ(実在した人物でスターリンの右腕・ソ連内務人民委員部を統括した)の子分としてシベリアの捕虜収容所を我が物にして、日本人捕虜を酷使し殺しもした。

 

 

ボリスが、第3部「鳥刺し男(モーツアルトの魔笛に出てくるんだけど)編」にて、独ソ戦のドナウ渡河戦のあとでナチス親衛隊中佐から取り上げたSSマーク付きドイツ製ワルサーPPKについて書いているが、ドナウ渡河戦はウクライナをソ連のT-34戦車群が蹂躙したはずだ。

それは、武器こそ変わっても相変わらずロシア人がウクライナを戦車で蹂躙しているという事実に変わりはないのだ。

 

写真はナチスの空軍司令官・ゲーリングが愛用した黄金銃のワルサーPPK