「日本国憲法」と「天皇の人間宣言」

そもそもアメリカが日本を占領したのはポツダム宣言通り、日本を自分達の国益に見合う国家改造をすることにありました。

その中で、「日本を二度と自分たちに刃向かう可能性がない国にすること」と「民主的な国」にすることが目的でした。

特に、日本の思想面での国家レベルの洗脳を担当したのがアメリカ民間情報教育局宗教課で、彼らは敗戦の年の1945年12月15日に「国家神道廃止令」を出しました。
戦前の日本では天皇崇拝と軍国主義が一体となり天皇を現人神とするような狂信的な軍事国家でしたので、アーリア人を一等民族としたナチスと似た精神構造で他国を侵略してきたところは全く同じでした。

面

しかし、その命令の中には「天皇は神ではないという文言」はありませんでした。

なぜならその言葉こそ天皇が直接国民に伝える必要があったものだからです。
いわゆる「天皇の人間宣言」です。これも草案自体はGHQ作でしたが、日本側の強い主張で天皇が皇居で執り行う宗教儀式(宮中祭祀)は私的な事柄とされた。
なお、人間宣言という名称は当時のマスコミや出版社が付けたもので、当詔書内には「人間」「宣言」という文言は一切ありませんでした。

じゅん1

GHQはとにかく急いでいましたので1946年12月25日には天皇から発表させる計画でした。
そのためこの声明が天皇から発せられないと天皇が危ういことになる、すなわち他の戦勝国が天皇を翌年5月に予定されていた東京裁判にかけようとするだろうというわけです。

さて、この詔書(天皇の人間宣言)は、日本国外では天皇が神から人間に歴史的な変容を遂げたとして歓迎されたそうであり、退位と追訴を要求されていた昭和天皇の印象も好転し好結果だったらしい。しかし、日本人にとっては当たり前のことを述べたにすぎなかったため、日本ではこの詔書がセンセーションを巻き起こすようなことはなかったそうである。

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結局GHQの思惑通り、天皇の人間宣言のための日本国内巡幸が1947年2月19日から開始されることになります。