孫武が闔閭に異を唱えた漪羅の身代わりに罰を受けると申し出たので、闔閭は孫武に罰を下す。

負傷した孫武のために薬を買いに行く漪羅だったが、孫武の妻であることが明らかになると店主に門前払いされてしまう。

ちょうどそこへ王子の夫差が現れ、店主を罰しようとするが、漪羅の懇請を受けて店主を釈放するのだが、それは見せかけで漪羅が現場を離れた途端、店主の目をえぐったのだ。

店主の泣き叫ぶ声を聞いて状況を知った漪羅は夫差の残虐さに恐怖を覚えるのだった。

このような中、楚の都・郢で横暴を極める呉軍に嫌気が差した季札は、楚の地を離れるのだった。

きさつ

一方、それまで季札の弟子として行動をともにしていた漪羅は。いままで夫としては見てなかった孫武を支えながら生きていくことを決意するのだった。
互いの考えを語り合う孫武と漪羅、そして漪羅が恨みを捨てたことで、二人は初めて夫婦の信頼関係を築くことができた。

↓季札の弟子をして医術を身につけた漪羅
いら

 孫武は随の同盟国である晋の来攻に備え、漪羅と国境地帯の濘坊に向かい、晋の袁統軍を征伐する。難を逃れた昭王は雲夢に身を隠し、援軍を得るため申包胥を秦に派遣した。

秦の哀公に援軍を拒否された申包胥は、秦の宮殿前にひざまずき涙を流して楚国救済を訴え続けた。そんな申包胥の訴えは飲まず食わずの状態で7日7晩続き、ついに哀公の心を動かした。哀公は申包胥に『詩経』の一節である「無衣」の詩を送り、楚と共に呉を討伐することを約束する。

 その情報は濘坊を守る孫武の耳にも届く。
孫武は呉の将軍・呉壁の背中に「秦楚が連合した。雲夢に軍を派遣せよ」という内容の急報をしたため闔閭のもとに走らせる。
知らせを受けた闔閭と重臣らは、早速対策を話し合う。

すると闔閭の弟であり陰謀を抱えた夫概が兵を率い秦楚討伐に向かうと申し出る。
何の疑念も持たない呉王・闔閭は、自ら大切にしている伝家の名刀・罄郢剣を夫概に与えて出陣を許すのであった。

 ところが、雲夢に急行せねばならぬはずの夫概は、濘坊にいる孫武の前に現れた。そして夫概の依頼で陰謀とは知らず兵の激励に向かう孫武であったが、夫概の一連の言動に不安を覚えた孫武は、呉壁を監視役として夫概軍に潜り込ませるのであった。