さて、私が行った「便中H. pylori抗原検査」の結果、ピロリ菌はいなくなっていました。

私のように一次除菌でピロリ菌を除菌できる確率は今や9割を超えるそうです。

除菌

この一次除菌では、2種類の「抗菌薬(アモキシシリンとクラリスロマイシン)と「胃酸の分泌を抑える薬」合計3剤を服用します。
1日2回、7日間服用する治療法です。

↓病院からもらった治療用パンフ
か移設

そして、すべての治療が終了した後、4週間以上経過してから、ピロリ菌を除菌できたかどうかの検査を行います。この検査でピロリ菌が残っていなければ、除菌成功です。

なお1回目の除菌療法で除菌できなかった場合は、再び7日間かけて薬を飲むことになる2回目の除菌療法を行うことになります。
その際は2種類の「抗菌薬」のうち1つを初回とは別の薬に変えて、再び除菌を行うそうです。

2回目でダメな場合は、保険適用なし自費払い治療になる方法があるそうですが、医師に聞いた所あまりお勧めできません。ということで大体全体の1割程度の人は除菌治療はあきらめてひたすら胃の検診に注力して胃がんを防ぐということになるのでしょう。


さて、wikiによれば、ピロリ菌の感染経路は、保菌している親との小児期の濃密な接触に由来するらしいのです。

具体的には、離乳食なんてなかったその昔(昭和生まれの団塊の世代あたりとか、3丁目の夕日世代あたりかな)、親は食べ物を噛み砕いて子に食べさしてましたね、離乳食のあるいまは口移しなどしないでしょうが(してる人はいるかもね、ぜひ止めましょう)。

あとは衛生環境から由来するもので、糞便に汚染された水・食品を介した感染経路も有力視されているらしく、日本でも下水道が完備してなかったその昔の世代にはピロリ菌保持者は多いのだ。

さらに、その当時は日本だけでなく、世界中でほとんど全ての人が保菌していたそうで、先進工業国では衛生管理の徹底によって、この菌を持たない人が増えてきていて、2005年現在、世界人口の40-50%程度がピロリ菌の保菌者だと考えられているそうです。

しかし、日本では1992年の時点で20歳代の感染率は25%程度と低率なのですが、40歳以上ではなんと70%を超えており、なんと発展途上国並に高いということである。

日本のこの極端な違いには、最近になって急速に進んだ生活環境の改善があってのことらしいですね(ただ昔は聞かなかったアトピーなどが増えているのは改善の弊害なのかもしれません)。


さて、ここで気になる情報があるのです。

それは胃炎治療のためにピロリ菌除菌治療を行った人の一部で「逆流性食道炎」の発生や、それに伴う「食道がん」のリスクが増加する可能性が報告されているというのです。

ピロリ菌を持たない人や除菌治療を行った人では、胃酸の分泌が過剰となって胃内の酸性度が増し、逆流した胃液が食道組織を傷害して、一過性の逆流性食道炎やバレット食道を生じることがあるということです。

バレット食道は食道腺癌の前段階の病変として現れることもすでに知られているそうです。

ピロリの除菌が広く行われだした頃から、この治療を行った患者に食道炎や食道がんの発生が多いことが報告されており、本菌は胃に対して悪影響をおよぼすが、一方では食道に対してむしろ疾患を防御している可能性(人体におけるピロリ菌の存在メリットについての研究もなされており、小児ぜんそく、アレルギー性鼻炎、皮膚アレルギーなどの疾患リスクがピロリ菌の感染者の方が低いと言う報告もある)もあるらしいのです。

こうなると胃がんをとるか、食道がんをとるかの究極の選択とも言えますね。

最後に、ピロリ関連疾患の現実的かつ実践的な予防対策としては、野菜と果物の摂取、および減塩が効果的だそうです。