皮肉なるかな、ドイツ人選手の勝利

第6ステージのコースも第一次世界大戦の激戦地として、フランス国民の記憶に刻まれているそうです。

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26万人もの戦士が命を落としたこの道も、今回のツールドフランスでは「第一次世界大戦開戦100周年記念行事」の一環として使われている。
↓ランス大聖堂
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第6ステージのスタート地アラスはドイツ軍との3度の激戦で市街地の4分の3が破壊され、また、ゴール地のランスでは歴代フランス国王の戴冠式が行われてきた有名なノートルダム大聖堂が1914年秋のドイツ軍の砲撃で壊滅的な被害を受け、現在も修復作業が続いているのだそうです。

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「第一次世界大戦開幕100周年公式行事」の一環である今回のツールで、フランスの国土を荒廃させたドイツに、連日のように栄光をさらわれているわけだからしてほんとうにこんなテーマを選ぶ必要があったんでしょうか……国家行事にも近いこの自転車大会は単にUCIの意向だけでは如何ともしがたいものがあるのかもしれません。

でも其の意図どおりに物事は進みません。たとえば地元紙によると「ドイツはもう一発、隠し玉を持っていた」とか、「最後に勝つのは、ドイツなのだ」といった「ドイツ」を強調した報道が目に付いていたのだそうです。

そして、この第6ステージの勝者は、またまたドイツ人のキッテルでした(今回ツール4度目のステージ優勝)、こうなるとフランス人戦没者というよりはドイツ軍戦没者の呪いもあるのかな?と勘ぐってしまいますね。