自己PRで「私は行動力があります」はすでに手垢で真っ黒な言葉で、人事も聞きあきるほど聞いているでしょう。では実際学生は、どれくらい行動的なんだろう。



大学にてキャリア支援を模索するKのブログ-gou


友人のキャリアカウンセラーが最近見かけたということである合同企業説明会会場での出来事を教えてくれました。



その日の企業の会社説明会セミナールームは、どこも大繁盛で、受付をしている学生が列をなしている部屋もあれば、すでに満席状態で学生が真剣な表情で着席している部屋もありという状態だったそうです。



 しかしたまたま、その企業のセミナールームの近くを通ると、ドアの前に数人の学生が立って所在無げにしていたそうです。


10時開始でまだ40分くらいはあったけど、他の会場と違って、ドアも開いていなければ受付のセッティングもされていない状態だった(そういうことはよくある)そうで、部屋の案内看板には「某大手企業のセミナー会場・10時~16時」と表示があった。



数人の学生は頭をかしげながらしばし佇み、ひとりの学生の「受付がまだのようなのでロビーで待ちませんか」という言葉に促されてロビーに移動して行ったということです。


 ここで彼はこの後どうなるか面白そうなので、しばらくどうなるのかそのままその部屋の前を眺めていたそうです。



そしたら新たに1人女子学生がその部屋の前に来ました。


その学生はおずおずしていましたが周囲を見渡し、おもむろにドアをノックして中を覗くとそのまま、挨拶をして部屋の中に入っていったのだそうです。多分部屋の中には当該企業の担当者がいて、準備か何かをしていたのでしょう。



それから20分くらいの間に会場の前に来た学生は約100人くらいはいたそうですが、ドアをノックして会場内に入った学生はたったの5人だけだったそうです。


 そして、950分近くになると会場前に、ようやく、学生たちが集まってきたそうで、

そしたら突然、部屋のドアが開いて、中から担当者が出てきて会場内に学生を誘導し始めたのです。




さて、「会場内に足を踏み入れた学生たちは、既に数人の学生が着席している姿を見てどう思ったでしょうか?。」


少なくとも最初に会場内に入った学生の後から群れをなして入ってきた学生まで30分近く時間がたっており、きっと部屋の中では人事も彼らをすでに脳裏にインプット済みのことだったでしょう。



大半の学生は「そこでなぜ、ドアをノックして中を覗こうという行動をとらなかったのでしょうか?」


「ドアをノックする」たったそれだけの行動がとれないなんて。「たかがノックくらい」のことなのですが、実際そのたかがノックくらいができない学生が大半なんです。



通常、説明会には会場前に受付があり、お客様のように会場に招き入れられるものであるという先入観があり、それ以外の行動に思い至らないのです。


 そして、そうした学生が「行動力があります」・「好奇心旺盛です」・「リスクを恐れず挑戦します」・「状況判断には自信があります」と自己PRするのだとしたら、まったくナンセンスです。



今や想定外のことが起きたらどんな行動がとれるのかが求められているわけで、常識を疑ってみる、ほんの少し勇気を出してみることが就活の主導権を自らが握っていくことになる鍵なのです。