まずまずの美品です。
SA8004はかなりPCオーディオを意識した設計で、背面にはType BのUSB端子を備え、PCから入力した最大96kHz/24ビットの音声の再生が可能となっており、PCを持っていれば本機を通してネットからダウンロードした音楽ソフトを聴くことが出来ます。当時としては中々なもので、Amazonのレビューにある"ネットワークオーディオ一歩手前"との評価がしっくりと来ます。
内部全景
USB-DAC部
DACにはシーラスロジック社の「CS4398」が採用され、SACDの1bit DSD信号はもちろん、CDの16bit PCM信号や背面の光/同軸デジタル入力端子からの最高24bit/192kHz PCM信号のD/A変換が可能です。
アナログ出力回路の電源部にはオーディオグレードの大きなコンデンサーが鎮座していますが、見栄えの為に採用されたのでしょうか。音質的なメリットはないと思います。
ピックアップドライブユニットは先代SA8003の頃から使用されているPioneer製のものです。取り敢えずレンズを清拭しましたがそれでもSACDを読まなかったので、原因はこのピックアップのヘタリだと思われます。
ピックアップはPD-70と同じものなので、その補修用に保管していたDVDプレーヤーから移植しました。
ピックアップを取り替え、ハイブリッドSACDをセットすると何事もなく読み込めるようになりました。
せっかくなのでハイブリッドSACDのSACD層とCD層とで音質に差があるか聴き比べして見ましたが、思った以上の差が!
SACD層では音の繋がりが良くとても滑らかで繊細なのですがキレがなく、音場が狭い分定位に優れてとてもお上品。
一方、CD層では音の立ち上がりが早くキレがあり、低音域の輪郭もハッキリとして音場が広大。
自分としては明らかにCD層での再生が好み
SACD層での再生では音に元気がなく、お気に入りの曲を聴いても気分が一向に上向かない。
一方、CD層ではご機嫌である。
DAC以降の回路は同じなので、CS4398のDSD再生能力に問題があるのか?
でもBBやAKMなどのDACを採用したSACDプレーヤーでもみな同じような感じを受けるので、DSDそのものの問題か?それともDSDの再生能力を活かしきれてないだけなのか?
まあ、ヒョーロンカ先生に聞いてみたとしても"もっと高い機器を買わないと"と言われるだけだろうな。