発売時、安いのにえらく音が良いと評判だったCDプレーヤー。吉田苑さんに行く機会も増えたので今度試聴したいなぁと思っていたら、いつの間にか生産完了。それではと、ヤフオクで音飛びするジャンク品を選んで落札、入手したもの。

2014年発売、定価は32,500円(税抜)でした。

上級機にも通じるシンメトリーなM-1デザイン。


CD5005は、M-1デザインを採用したCD5003から数えて3代目。初代、2代目はD/Aコンバーターにシーラスロジック社製のCS4392を採用していましたが、CD5005ではCS4398に進化。また、CDメカも新型に更新されています。とは言っても、D/Aコンバーターは24bitの電圧出力型に変わりなく、CDピックアップ ドライブユニット自体もサンヨーのSF-P101N 16pのままなので、そう大して変わりはなく、ブラシュアップしたと言ったところでしょう。しかし、このブラシュアップで化けることはままあります。


さて本機ですが、音飛びすると言うことでピックアップ ドライブユニットを交換すれば直る筈。

早速ご開帳です。

新開発したと言うCDメカはDCD-755REと同じですね。しかし、電源回路、サーボ/コントロール回路、オーディオ回路と分かれており、これで実売2万円程度で売られていました。物価が上がらないのも道理です。

取り敢えずCDメカを取り出して、ピックアップ ユニットごと交換です。

ゴムダンパーとバネの組み合わせで振動を吸収、抑えます。ここら辺もケンブリッジオーディオのCD5よりコストがかかっています。また、トレイのローディング機構もCD5005の方がスムーズで、コストがかかっているように思えます。

にも関わらず、両者の実勢価格は2万円とほぼ同じでした。でも定価はCD5が19,800円、CD5005が32,500円でしたから利益率ではCD5の圧勝で、CD5005はほとんど儲からなかったと思われます。そのためか、CD5005に後継機は無く、途絶えてしまっています。


ピックアップ 交換後、正常に動作するようになったので、2ndシステムに繋いで音出しです。アンプはNmodeのX-PM3 FT、スピーカーはParadigmのMonitor SE Atom FTです。

で、その音質ですが、一言で言えば華麗かつ流麗。最近の低価格機に共通なのですが、トランジェント特性が良く、位相もしっかりと揃って勢いがあり音が躍動します。そのうえで、本機の音には煌びやかさも加わって、聴いてると気分が自然と上向いて来ます。


田中真由美さんの「Quietude」もこちらの方が声に生命力が満ちてヒーリング効果が高く、癒されます。


本機の音質はSA7001に通じるものがあるが、より速く、華やかさがある。低音域に物足りなさを感じることもあるが、それを補って余りある。

それでも更にとなると、何があるのだろう?

少なくとも、古いアナログ時代の影響を未だに引きずるミドルクラスの類いでは無いのは確かだけども。