ヤフオクで適当に値を入れてたら,思いもかけず落札しちゃったもの.もちろんジャンク.
2005年発売,定価は150,000円(税抜き)でした.
本機はDCD-1650シリーズにおいて初めてSACDに対応したモデルで,デザインも一新されました.
本機はCDやSACDの読み取りに難ありとのことでしたので,さっそく開腹.
ドライブユニットが一新された以外は,1650ARやAZ,S10Ⅱでも見慣れた光景です.
読み取り不良とのことですので,とりあえずピックアップレンズを清拭するためドライブユニットの蓋を開けます.
電源コードやトレイの隙間に細かな埃が堆積していたので,案の定な様子.
それにしても,立派な外見の割にはドライブユニット自体は755シリーズと変わらない安物.
ここらへんは自社ドライブユニットを採用するPioneer機とは大きな差があります.
ピックアップ近影
ピックアップはSANYOのSF-HD6xシリーズやSF-HD8xxシリーズのような感じです.
とりあえずレンズとその周辺を清拭し,元に戻します.
復活しました.
さっそく2ndシステムにつないで聴いてみましたが,DCD-1650シリーズは〝音の芸術的再生〟の部類に入るCDプレーヤーなのでSOULNOTEのA-1やDYNAUDIOのEXCITE X14とはミスマッチ(音の塗りつぶしや加飾を白日の下に晒す)と思っていたのですが,然に非ず.
明らかにCDの中に納まっているはずの微細な音を塗りつぶしたうえ色艶や響きを加え,低域を誇張しているのですが,それを見事に調和させ,聴かせてくれます.
静寂の中,それぞれの楽器が奏でる音が分離し定位して,目の前にステージが浮かぶようです.
正直,自分の好みがハイスピード系(原音再生)に移っていることもあり,音が遅い(芸術的再生)部類の1650AEにはあまりいい印象を持っていませんでしたが,その格調の高さには脱帽せざるを得ません.以前なら,一発でノックアウトされていたでしょう.
芸術的再生という部類ならば,1650REや2500NEよりも本機の方が好印象.
圧倒的な静寂の中,沈み込むような低音は一聴の価値ありと思います.