昨年2ndシステムに導入したdc1.0がいまいちパッとせず,ならばと追加で導入したもの.
2009年発売,定価は100,000円(税抜)でした.
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本機は,dc1.0が44.1kHz専用だったのに対いし,22.05~192kHzまでのサンプリング周波数に対応可能なD/Aコンバーターです.しかし,入力は光と同軸だけでUSBには対応しておらず,またDSDにも対応していないなど,当時すでに勃興しつつあったPCオーディオはまったく眼中にはない,実にSOULNOTEらしい製品です.(そういう意味ではNmodeとは好対照)

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入力は光と同軸それぞれ3系統と豊富なのに対し,出力はバランス/アンバランスがそれぞれ1系統とシンプル.昔だったら,アンバランスはFIXとVARIABLEの2系統は備わっていたでしょう.(もちろん金メッキで.)


早速,ボンネットをはぐって中身を確認です.

全景

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電源部は80VAのRコアトランスに小容量高速コンデンサーをパラったNon-NFBハイスピード電源を採用しています.sa1.0やsa2.0のRコアトランスの容量は120VAでしたが,DAC用としては十分大容量だと思われます.

入力部
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それぞれの端子から入力されたデジタル信号はAKMのI/F Transceiver「AK4118EQ」(24bit, 192kHz)にインプットされ,BB社のDAC「PCM1792」(24bit, 4fs/8fs, 192kH)へと出力されて行きます.

DAC部
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AK4118EQから送られてきたデジタル信号は「PCM1792A」(画面中央下)に送られ,D/A変換されたのちそれぞれのchのアナログ回路部へと出力されて行きます.

回路部全景
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流石に12万もする単体DACだけあって,DAC/オーディオ回路は手が凝っています.

取り敢えず,sc1.0との違いを確認すべく,1stシステムに組み込んでみます.
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プリアンプ:sa1.0  パワーアンプ:sa2.0  スピーカー:LS-M7

で,その結果は,音の傾向としてはsc1.0とほとんど同じですが,ほんの少しアグレッシブさが後退した代りに音の高域方向のレンジがほんの少し伸び,音場が広がったような感じを受けます.しかしその差は僅差で,sc1.0にsd1.0を追加する意義は薄いように思えます.

ついで,2ndシステムにNmodeのX-CD1をトランスポーターとして組み込んでみました.
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プリメインアンプ:A-1  スピーカー:Mentor Menuet

すると,X-CD1がハイスピード,高解像度で定位に優れる一方,ボーカルは奥まって聴こえるのに対して,sd1.0ではハイスピードで高解像度なのは一緒ですが定位よりも音場感に優れ,ボーカルは前に来るなど対照的です.また,dc1.0に対しては,sd1.0の方が音がより躍動し,元気が良いように聴こえます.(これはsc1.0も同じ傾向で,dc1.0はA-1との相性が悪いのかも?)

まとめとして,SOULNOTE的な熱い音を聴きたい場合にsd1.0をシステムに追加するのはアリかと思われます.
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X-CD1とsd1.0,ともに同じ年代の製品だが,音にそれぞれのメーカーの特色が良く出ていて面白い.しばらく組み合わせて使ってみようと思います.