始まりのCDプレーヤー,CD-34
このCD-34が初めてのCDプレーヤーという方は結構多いのではないでしょうか?
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これまで所有したCDプレーヤー中,もっとも原音再生に近いCD-P650.
これでCDを聴いていると,不思議と真逆とも云えるCD-34のことが頭に浮かび,
思わずヤフオクでポチッたもの.
1985年発売,定価は59,800円でした.
コントロールパネルにキズがあるものの,まずまずの機体です.
本機は1985年の春に発表されましたが,当時,据え置き型で初めて6万円の大台を切ったこと,価格に反して同社の高級機種と同じCDドライブユニットとDACシステムが採用されていたこと,アルミダイキャストシャーシが奢られていたこと,そして何よりも音が良かったことから一時はベルギーから航空便で輸送されるほど爆発的に売れました.
CDドライブユニットには1ビーム・スウィングアーム方式で亜鉛ダイキャストベースのCDM-1を採用し,DACシステムには4倍オーバーサンプリングと2次ノイズシェーピングを併用したデジタルフィルター「SAA7030」と14bitのマルティビットDACである「TDA1540」を左右独立で搭載しています. これらの構成は同社の業務用機「LHH2000」や高級機「CD-84」などと一緒でした. さらに,それらデバイスをアルミダイキャスト製の高剛性シャーシで支えるという桁外れに贅沢な構成をしており,一瞬にしてライバル達を時代遅れなものにしてしました. 謂わば,CDプレーヤー界における「ドレッドノート」的な存在です.
肝心の音質ですが,当時は「まるでアナログのような」と云う風に表現されていましたが,自分にとってはパチパチというスクラッチノイズはないしダイナミックレンジやS/N比も優れていて,「これがデジタルの音と云うものか!」と思ったものですが,すでに詳細は遠い記憶の彼方. そこで再びCD‐34を入手してどんな音だったのか確認してみようと思い立ち,購入したわけです
購入したのは「音出ますがトレイが最後まで閉まりません.古いのでジャンク.」というもので,商品到着後,動作確認を行ったところ,確かにコメントの通りトレイが最後まで閉まらずに途中で止まりますが,Lchから音が出ません. 出品者に確認したところ,出品前の動作確認では両chから音が出いていたそうなので,輸送時の振動などが原因で故障したと思われます.
これは・・・・・・・・,
ご褒美ですねッ!
(○゚∀゚)ウヒャ!!
早速ボンネットを開けて,故障個所を探ります.
CD-34の,懐かしい匂いがします.
上から見ると,左側にCDドライブユニットが,その後ろに電源部があります. 左手にはコントロール/サーボ回路基板があり,その下にオーディオ回路基板が隠れています.
取り敢えず,接触不良を疑って各コネクターを抜き差ししてみますが,症状に変化はありません.
ついで,底板を外して見ます.
598クラスのCDプレーヤーにアルミダイキャスト製の頑丈な躯体を載せるのは反則だろう.
598クラスのCDプレーヤーにCDM-1を載せるのも反則だろう.
598クラスのCDプレーヤーにTDA1540Pを左右独立で載せるのも反則だろう.
ここでもコネクターやコードの状態を確認しましたが,特に問題はないようです.
そこで,ネットで同じような症状の事例を検索してみると,怪しい個所がありました.
左手に見えるリードスイッチです.
試しにスイッチをバイパスすると,Lchからも正常に音が出ました.
故障個所,確定です.
早速,Amazonでリードスイッチを発注し,修理に取り掛かることに.
左の2個がオリジナル,右の2本が補修用に発注したものです.
Lchのオリジナル・リードスイッチはやや傾いて取り付けられていたので,いち早くスイッチが入らなくなったのでしょう.
取り付け完了.
発注したリードスイッチは10mmとオリジナルに比べて小さいですが,機能的には問題ないでしょう.
これで無事,両chから音は出るようになりましたので,つぎはトレイ開閉機構の修理です.
To be continued.