リエージングが進むにつれて音の伸びや響き,解像度が増し,音の左右の広がり感,奥行き感も良くなって定位も安定してきたCDP-557ESDですが,これなら20bit機どころか24bit機とも張り合えるのではと,調子に乗ってDCD-1650AZと比較試聴してみることにしました.

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CDP-557ESDは1987年発売,定価は180,000円の18bit機で,当時のESシリーズのフラッグシップ機.
DCD-1650AZは1999年発売,定価は99,000円の24bit機で,DENONのベストセラー中堅機.

比較試聴なので,システムはもっとも聴きなれた3rdシステムとしました.
アンプはSANSUIのAU-α607MR(1995年発売,99,000円),スピーカーはKENWOODのLSF-777(1997年発売,ペア90,000円)です.
α607MRは07シリーズ発売20周年記念の製品で,高音がよく伸び,解像度も高く,中低音域が肉厚で輪郭がハッキリとした爽快なサウンドが特徴的です. 一方のLSF-777は音離れが良く,音の定位がしっかりとしており,ほんのりと艶の乗ったクセのない素直な音が特徴的です.
アンプへの接続は,極力差が出ないよう,POWER AMP DIRECT-1,2とし,また試聴ソフトには,Suara,SANTI,Kalafinaの各女性シンガーのオリジナル盤,ベスト盤からそれぞれ共通の曲を選びました.

その結果,驚くべきことに,両者の間にはまったくと言っていいほど音質に差がありませんでした.
唯一,Kalafinaの「ひかりふる」で,CDP-557ESDの方がヴォーカルが半歩前に来るように聞こえたくらいで,音色,解像度,音場,どれを取っても両者に違いが感じられず,まるで同じプレーヤーを聴いているようでした.
1650ARと1650AZを聴き比べた時にはハッキリと違いが分かったのですが,今回は全く分りません.

システムを変えれば違いが分るかもしれませんが,90年代の中級システムでは聴き分けられない・・・.
まぁ,「駄耳」と言われればその通りなのですが,比較試聴でこんなに驚いたのは二度目です.

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10年以上新しい24bit中堅機とも張り合える,とんでもない機体.
CDの規格がそもそも16bitなので,精度の良いDAC部と優秀なアナログ回路があれば,D/Aコンバーターのビット数なんて関係ないのかも知れない.
そう云えば,高音質で名高いPhilipsのLHH-2000やmarantzのCD-34などは14bit機であった.

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1987年当時とは比べ物にならないほどのコスト制約の中,12年前の機体とは言え当時のESフラッグシップ機と互角に渡り合えたのは褒めてよいことにしよう.(すくなくとも,負けてはいない.)
なぜならば,1999年当時のSONYライバル機は本機に遠く及んでいないのだから.