壱号機は外観程度が良くなく手放したのですが,その音がないことに寂しさを憶え,某オクで落札したもの.
1988年発売,定価は89,800円(税抜き)でした.
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箱入り,ワンオーナーものです.ヽ(゚`∀´゚)ノウヒョ

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「目立つような傷なし」との前オーナーのコメント通り,新品のような美しさです.

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天板と側板とが別体で,天板にはフェルトやプレートが貼られており叩いても鳴りません.

本機はES機としては最後のマルチビットDAC採用機ですが,デジタル/アナログ独立電源や演算ビット長45bitのデジタルフィルターの搭載,FBシャーシやG(ジブラルタル)ベースユニットの採用など,のちの1bitDAC搭載機にも引き継がれる技術が導入されています.
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このクラスとしては非常に強力な電源部. 電源トランスは,上位機CDP-X7ESDに劣らぬ大きさ.

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底面から見たら,ドライブユニット全体がフローティングされているのが解かる.

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基盤左側がサーボ・コントロール回路,右上が電源回路,右下がオーディオ回路となっている.

本機のオーディオ回路には,8fs45bitノイズシェイビング・デジタルフィルター(自社製CDX-1244)+18bitD/Aコンバーター(BB社PCM58P-Jランク)が採用されており,当時の最先端. DAC以降は左右対称構造で,銅プレートで隔離されています.

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底板の厚みは約2㎜.インシュレーターはファインセラミック製で,割れやすいので取扱いに注意です.

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シャーシは,最後のCD専用機,CDP-XA55ESにまで引き継がれるFBシャーシ. 
四囲のフレーム(F)にビーム(B)を渡すことによって,機体の強度を高めている構造がよく解かる.

その音質ですが,マルチビット搭載機らしく全体的に音は太めでしっかりとしている上,低域から高域まできれいに音が伸び,すこしばかり躍動感もあって音楽的な表現力も明るく豊かです. 音場も,左右はもちろん,奥行き感も上下感もしっかり再現されています. そんなこともあってか,解像度では劣ると思うのですが,CDP-555ESJと比べても寧ろ躍動感や明るさ,滑らかさが加味される分,音楽が楽しく聴けます.

SONYのCDプレーヤーは原音再生に拘ってか,得てして音が堅く色気のないのが多いのですが,本機は別格.
個人的には,SONYの中級CDプレーヤーとしては最優秀機だと思います.

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ステレオサウンド誌の88年コンポーネント・オブザ・イヤーを受賞したXL-Z711とのツーショット.
XL-Z711の方が高音質と思うが,音楽を聴くにはCDP-338ESDの方が好音質と感じる.
U-α607MOS Premiumと組み合わせればさらに音に艶が乗り,最高の聴き心地.