Meet Massari
R-evolution
2024年2月29日都内で開催されたプロ向けPanettoneパネットーネ講習会についてレポートします。
イベントはR-evolution
Meet Massariと題され世界各国で開催されています。
イタリアのみならず世界的に著名なイタリア人パティシエのIginio Massari氏ご本人によるこの講習会は、日本では初開催となります。
今回のテーマはPanettoneパネットーネ。
パネットーネと言えばミラノのナターレ(クリスマス時期)に欠かせない伝統菓子です。
開会にはイタリア大使も駆けつけご挨拶をされました。
講習会ではMassari氏自らステージに立ち、天然酵母から生地を捏ねる過程、焼成まで、丸一日かけて実践し、長年の経験で培った技術や秘訣を惜しみなく披露します。
パネットーネは作るのに3日ほどかかるところ、各段階の生地を準備してくださり、3種類ものパネットーネを実演。
それでも講習会は朝から晩まで途中1時間の昼休憩を挟み丸一日かけて行われます。
たくさんの菓子・パン職人が集結。
Bernardi社のダブルアームの機械を使います。
生地を捏ねる段階からあのパネットーネ特有の柑橘系の香りを含む甘い香りが充満して、席に回される生地の柔らかで延びのよい触感を参加者が個々に確かめます。
82歳を迎えるもMassari氏は饒舌で熱心であり、生地を捏ねる姿もエネルギッシュです。
前日に開催されたパネトーネコンテストでのエピソードを交え、均一な生地にする工程の重要さや、焼成時に焦げを作らないようにする注意点を述べられます。
パネットーネの紙製の焼き型をPilottinaピロッティーナと言いますがそこによく捏ねた生地を入れて発酵します。
発酵の終わったパネットーネの表面は弾力がありアイシングを塗って覆っても凹むことはありません。
オーブンに入れて、その間にいよいよ試食です。
トラディショナルなパネットーネ
ピスタチオのパネットーネ
チョコレートのパネットーネ
1カ月熟成の伝統的なパネットーネはしっとりとした味わい。
生地はふんわり、手でちぎるとしっかりとした繊維感もあり、一面にバランスよく散ったフルーツの砂糖漬け、真っ黄色の生地にはくまなくパニラビーンズの黒い粒々が確認できます。
異常に賞味期限の長いパネトーネは天然素材のみで保存料などは入らずとも保つのです。
すごく良い香りがオーブンから部屋中に充満します。
焼き上がったパネットーネは素早く串刺しして逆さまにします。
これが凹まず水分を均一にし保存力を高めます。
本来なら天然酵母の作り方から紹介したいが、それをやると1週間はかかるとのことです。
最後にフルーツの砂糖漬けfrutta canditaと発酵種をいただき終了となりました。
発酵種はまさにパネットーネの甘い香りがします。
貴重なものをいただきました。
高級パネットーネは一万円以上するものや、入手困難なものもあります。確かにものすごく香りが良くしっとりと独特の生地の触感、食感とも最高です。
しかしながら今まで食べたどんなパネットーネよりも美味しかったです。
材料はそれはそれはリッチで、frutta canditaの量!バターの量!バニラビーンズ10本!卵黄の量!
これは美味しくなければおかしいくらいです。
それを超える手間、時間、経験全てがこの美味しさを支えているのでしょう。
人生を賭けてこの味に近づきたいと思うのです。
講演をおえたMassari氏
本日実演の3種類のパネットーネ
左からピスタチオのパネットーネ
トラディショナルのパネットーネ
チョコレートのパネットーネ
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Molino dalla Giovannaからはサブリナ様がご挨拶。マッサーリ氏はこちらの会社とパネットーネ粉を研究し作り上げたそうです。世界50ヵ国を超える国に輸出しているとのことです。
もう一社、agrimontanaアグリモンターナ社はピエモンテ州クーネオ県の栗畑に位置する会社で、今回のパネットーネ用のフルーツの砂糖漬けfrutta canditaやピスタチオ、フルーツスプレッドなどをご提供くださいました。