心事の棚卸 -9ページ目

三女のけいれん

三女(7才)が発熱したので、一旦出勤していた僕はとんぼ返りで家に戻り、在宅勤務に切り替えた。


妻はパートがあり、人手不足で休めなかった。


最初、三女は鬼滅の刃のアニメをみていて、元気そうに見えた。


そのうちつかれたようで横になり、眠りについた。


異変が起きたのは昼頃である。


目覚めた三女に、お茶を飲ませようとしたら、顔をしかめて拒んだ。


どうしたんだろう、と思う間もなく、三女は僕に抱きついてきて、けいれんが始まった。


びっくりである。


三女の手足が、激しく細かく揺れ動く。今まで聞いたことのないような声で、三女が泣き叫ぶ。


絶叫である。


これが妻が心配していた熱性けいれんか。おちつけおちつけ、と自らに言い聞かせる。


三女を抱きかかえつつ、スマホで対処法を調べる。


すぐに救急車を呼ぶ必要はないらしい。5分様子をみれば収まるらしい。横にしてあげたほうがいいらしい。


三女を抱いたまま、身体をふとんのうえに横たえる。


けいれんは続く。だいじょうぶだよ、と声をかけ、背中をさする。内心、不安でいっぱいである。


徐々にけいれんがおさまる。まだ三女はぼーっとしているが、その瞳に意識がもどる。


かなり汗ばんでいるので、湿らせたタオルで顔と身体をふく。


服を着替えさせるとき、三女自ら袖に腕をとおしたので、少し安心した。


熱を飛ばそうとうちわで三女をあおぐ。アイスノンも用意する。


しばらくふたりで横になって、僕は三女の頭をそっとなで続ける。


次第に三女のまぶたが重くなり、やがて寝息をたて始める。


ふう。


やがて帰宅した妻に、ことの顛末を話した。妻は三女の熱性けいれんを経験したことがあり、せやねん、こわいねん、と応えた。


ママが帰ってきたよ、と三女を抱き上げようとしたら、キックをしてきた。


笑ってしまった。

ママがいない夜

ゴールデンウィークに家族全員で、僕の実家に帰省した。


しかし、妻はパートを休めなかったので、一足先に我が家へ帰った。


娘たちは、置いていかれたような気持ちになったようだ。


夜、次女が、パパいっしょにねてくれるよね?と言うので、もちろん、と答えた。


僕と娘3人、ならんで布団にもぐりこむ。


久しぶりだ。


というか、妻がいない状況では、初めてかもしれない。


僕の両隣には、次女(10才)と三女(7才)がいる。


ふたりと手をつなぐ。ふたりとも手があたたかい。


長女(13才)が、何度も寝返りをうつ音が聞こえる。


やがて3人とも、すやすやと寝息をたてはじめる。


僕だけ眠くならない。


日中、ずっと遊んでいたので僕もかなり疲れているはずなのに。


暑さのせいだろうか。三女のおでこに手をあててみる。汗ばんでいる。


身体を起こして、窓を少し開けた。ひんやりした空気が入ってくる。


豆電球がまぶしいのかもしれないとも思い、消して真っ暗にした。


結局、眠れたはずだが、次女の足が乗っかってきたり、三女が咳き込んだり、どうもちゃんと眠れた気がしない。


朝も5時半ぐらいに目覚めてしまった。


我が家に帰宅後、妻にそのことを話した。


妻は、当たり前だという表情で、母親は熟睡なんてできへんねんで、と言った。

結婚して17年

結婚記念日。


毎年のことではあるが、いい天気である。公園の新緑が明るい。


午前中、三女(7才)と公園に遊びにいく。


すでに友達と遊んでいた次女(10才)と合流。次女はレジャーシートをしいて、ファミチキにかじりついていた。


日差しが強い日だったので、水遊びをした。


水風船をつくって投げ合ったり、水鉄砲で打ち合ったり。


ちなみに長女(13才)は、家でハイキュー!!のアニメを観ている。


午後、三女とケーキを買いにでかけた。歩きである。


ツツジがどこも満開。


「パパ、もも色のツツジのみつは、いちばんあまいんだよ」と三女が教えてくれた。


じゃあ赤と白はどっちが甘いの?ときくと、わかんないとのこと。


お目当てのケーキ屋さんは少し遠い。僕と妻が結婚当初に住んでいたあたりにある。


ガトーショコラ、イチゴタルト、バナナタルトを買った。


ガトーショコラはミニサイズではあるが、ホールケーキを購入した。三女が、じっとそれを見ていたので。


帰りは少し遠回りして、昔、初詣に行っていた神社に立ち寄った。


三女は、本当にこっちが近道なの?なんて言っている。お詣りする三女の後ろ姿を僕は見つめる。


あの頃、僕らはふたりきりだった。


帰り道、ついに三女が、つかれたつかれた、と言い出した。


たしかに暑い。


少しだけおんぶしてあげた。三女が、僕の背中にぺたんとはりつく。


往復で1時間は歩いただろうか。


帰宅してからも、ママつかれた~と言っている。


妻も、つかれたよねぇと三女をぎゅっとハグしている。


夕食後、ケーキを食べる。最近あまり行かなくなっていたお店だったが、近場のケーキ屋さんよりずっとおいしい。


「タルトは圧勝やわ!」と妻。