20090130 日本経済新聞 夕刊
企業部門の不振が家計に波及し、日本経済は負の連鎖が鮮明になってきた。米欧発の金融危機に伴う世界同時不況が深刻さを増すなかで、輸出の減少が響いて収益が悪化した企業には強い調整圧力が働いている。生産・設備投資などの抑制を加速するとともに、雇用調整も急ピッチで進めている。家計の不安感も急速に拡大し、支出を抑える姿勢が広がってきた。(1面参照)
二〇〇八年十二月の主要経済指標が発表されたのを受け、与謝野馨経済財政担当相は三十日の閣議後の記者会見で「生産で今ほど鋭角的な落ち込みは経験したことがない。失業率や有効求人倍率の悪化も極めて深刻な問題だ」と懸念を表明。先行きの見通しについても「底入れ時期は今は予想不可能だと思う」と語った。
米欧発金融危機が世界的に実体経済にも波及、日本も昨年十月以降、猛烈なスピードで落ち込み始めた。三十日に政府が発表した二〇〇八年十二月の各種の経済統計をみると、昨年末時点では急降下に歯止めをかけられず、むしろ秋から年末にかけて、月を追うごとに悪化の度合いを増した様子がうかがえる。
円高の進行から企業収益は一段と下振れするおそれがあり、雇用指標は今後もさらに悪化する公算が大きい。民間エコノミストの見方は「雇用調整はむしろこれから本格化する」との悲観論が大勢。非正規労働者の雇用不安が正社員にまで広がるとの見方が背景にある。失業率の上昇ピッチが一気に速まる可能性もあるという。
雇用問題を巡っては、日本経団連と連合が雇用の安定に取り組む方針を確認している。ただ仕事を分かち合うワークシェアリングの導入論議などに具体化の道筋は付いておらず、労使双方の主張も隔たりが大きい。このほど成立した〇八年度第二次補正予算でも景気押し上げ効果は限定的との見方が強い。
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