20090127 日本経済新聞 朝刊

 国内の景気後退が深刻化し、個人消費の「安値シフト」が鮮明になってきた。昨年一月から昨年十一月までの約百五十品目の消費動向を調べたところ、六割近くの購入価格が実質的に下がった。雇用・所得環境の悪化で家計の防衛行動が強まり、インターネットを使った安い商品の購入や、セールの際のまとめ買いなどが広がったようだ。
 総務省は毎月の家計調査で、商品ごとに平均的な購入価格を算出している。全国消費者物価指数(CPI)と比較可能な約百五十品目について、昨年一月と昨年十一月の数字を比べた。
 商品をいくらで買ったかを示す平均購入価格が下がった品目は全体の四八%。平均購入価格が上がっても物価上昇率ほどではなく、平均購入価格が実質的に下がったと見なせる場合も含めると、値下がり品目は五八%に達した。
 昨年十一月のCPIは昨年一月に比べ一%上がった。CPIが上がっているのに平均購入価格が下がるのは、セールの時にまとめて購入するといった節約志向が広がったためだ。
 例えば、カップめんについては、昨年十一月のCPIが昨年一月に比べ一五・一%上昇。これに対して平均購入価格は〇・五%のわずかな上昇にとどまった。しょうゆは物価が上がったのに、平均購入価格は低下した。
 インターネットを使った通信販売で、購入価格を抑える動きも広がっているもようだ。第一生命経済研究所によると、二〇〇八年に入って一世帯当たりの支出総額は減っているが、ネットを使った買い物は一貫して増えている。

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