20090126 日本経済新聞 朝刊
地域医療の確保と財政健全化の狭間で、地方自治体が苦渋の選択を迫られている。公立病院を残すかやめるか、組織や職員の身分はどうするか。患者や働く者には切実な問題だが自治体の財源は限られている。教育や子育て支援などを削る訳にもいかず、廃止や民営化の選択肢も排除はできない。
二〇〇七年度末で資金不足が全国最大の百二十三億円に膨らんだ大阪市民病院。大阪市は三月の補正予算で七十億円超の追加補助金を検討中だ。資金不足比率が二〇%を超えると、四月以降は健全化計画の策定を迫られるなど制約が増すからだ。
自治体は職員の待遇やメンツを気にして、抜本的な改革をしてこなかった。今や手をこまぬいていては銚子市立総合病院のように“突然死”してしまう。地域医療がどうあるべきかとの視点に立てば、職員が公務員ではなくなる独立行政法人化や運営を民間に委託する指定管理者制度の導入も避けられない。
全国自治体病院協議会の辺見公雄会長は「市民の市民による市民のための病院でなければいけない」と説く。市民にとってどうしても必要なら、他の行政サービスを削ってでも病院に税金をつぎ込まなければならないが、市民の理解は得にくい。
地域医療を守るため、総務省は〇九年度に財政支援を七百億円拡大する。救急医療を実施する病院への地方交付税を五割程度増額。産前産後の女性をケアする周産期医療や小児医療を手がける病院へも増やす。
だが、一時しのぎの資金をつぎ込んでも、地域医療の前に立ちはだかる医師不足問題の解消にメドが立たなければ始まらない。専門医に偏りがちな日本で総合医を育成すべく始まった臨床研修制度が医師不足の原因としてやり玉に挙がる。ただ、医師不足に苦しむ当の自治体病院は制度の見直しに反対する。
処方せんは容易には見つからないが、資金不足を一時的に解消できる病院特例債の発行が五十二団体に認められた。一息つく間に自治体は独法化などの抜本改革に取り組み、国も開業医に有利な診療報酬体系の見直しなどを進めることが求められる。 (編集委員 磯道真)
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