20090120 日本経済新聞 朝刊

 個人投資家が株価指数などに連動する商品での運用にシフトしている。二〇〇八年の個人の上場投資信託(ETF)の買越額は千二百億円を超え、〇二年以来の高水準となった。大幅な相場下落で長期的に見れば株価は割安と判断した個人は、長い間持ち続けても低コストなインデックス型運用に注目している。
 東京証券取引所、大阪証券取引所の投資主体別売買動向によると、個人は昨年十二月に利益確定売りを出して百九十二億円売り越したものの、年間では千二百六十八億円買い越した。〇七年、〇八年と相場下落に合わせ買越額が増えている。
 野村証券の藤田貴一ストラテジストは「これまで投資をしていなかった人が、わかりやすい日経平均連動型などのETFを買い始めた」と分析する。〇二年は買越額の一五%が信用取引だったが、〇八年には信用が小幅の売り越しだったのも特徴。高いリスクは取らない個人や中長期志向の個人が買い手となっている。
 都内の女性個人投資家(33)はETFやインデックス型の外国株投信を毎月買い増している。「手数料が安いし、銘柄選択に人の意志が介入しない方が損がなさそう」という。運用会社もインデックス型投信を重視し始めた。調査会社セルーリ・アソシエイツが国内の主な運用会社に今後三年で重要な商品を聞いたところ、インデックス型は確定拠出年金用など退職に備える商品と並んで最も高い支持を得た。
 外国人投資家も六百九十六億円買い越した。裁定取引のほか、ETFへの世界的な資金流入傾向も反映しているとみられる。
 バークレイズ・グローバル・インベスターズによると〇八年のETFへの資金流入額は千八百七十五億ドル。投資家が透明性や流動性を重視する姿勢が強まったためという。



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