20090108 日本経済新聞 朝刊
非正規労働者を中心とした急激な雇用情勢の悪化を受け、派遣労働に関する制度見直しの議論が与野党で活発になってきた。民主党は従来方針を転換し、製造業への労働者派遣を禁止する案の検討に着手する。与党も新たな対策取りまとめに動き出したが、業種規制の強化には慎重だ。双方の溝は深いうえ、次期衆院選をにらんだ世論対策の色彩もある。論議がどこまで進展するかは不透明だ。(1面参照)
「難しい状況だと理解しているが、民主党の考えをいま一度しっかりまとめ上げていただきたい」。民主党の鳩山由紀夫幹事長は七日の「次の内閣」会合で頭を下げた。同日午前、菅直人代表代行と社民党の福島瑞穂党首が、製造業への派遣禁止や雇用保険の対象拡大を検討する方針で一致したのを受けた「党内調整」だ。
民主党は昨年四月に日雇い派遣禁止などを柱とする労働者派遣法改正案を了承済み。製造業への派遣禁止は見送った経緯がある。支持団体である連合が「逆に失業者を増やす」などと懸念しているため。ところが、雇用問題を今国会の争点に据える小沢一郎代表が、規制強化を求めるほかの野党との共闘を重視するよう指示。方針転換した。
もっとも具体策については「製造業への派遣は五十万人。この人たちへの影響も考慮しながら詰めなければ」(直嶋正行政調会長)と手探り状態。三年程度かけて段階的に禁止する案が浮上している。
今国会に提出を目指す労働者派遣法改正案の扱いも不透明。通常なら同改正案の審議入りは二〇〇九年度予算関連法案の成立後で、四月以降になる公算が大きい。民主党内には「そのころには衆院解散・総選挙」として、法案作成作業の進展を疑問視する声もある。雇用保険の受給資格緩和などセーフティーネット拡充を優先すべきだとの意見も根強い。
一方の政府・与党。舛添要一厚生労働相が製造業派遣の禁止に言及して波紋を広げたが、麻生太郎首相は慎重姿勢。与党も「景気が良くなった時に雇用を増やせなくなる」(自民党の細田博之幹事長)、「認めないと逆に雇用が縮小してしまう」(公明党の北側一雄幹事長)と足並みをそろえている。
継続審議中の日雇い派遣原則禁止を盛った労働者派遣法改正案の早期成立や雇用保険の拡充実現が政府・与党の基本方針。ただ、衆院選を控えて野党の攻勢への警戒感も強い。河村建夫官房長官は七日、首相官邸で公明党の坂口力元厚労相と会談し、派遣労働者問題の追加対策の検討を要請。与党は月内にも新雇用対策プロジェクトチーム(川崎二郎座長)で対応策をまとめる。
与党の一部には仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」を一定期間後に「常用型派遣」に切り替えさせる案が出ている。派遣期間が終わっても雇用契約が継続し、賃金も支払われる常用型派遣の比重を高めれば、不安解消に一定の効果があるとの判断だ。
しかし、与党内には「労働者派遣法改正案を修正するかは審議が始まる四月以降までにじっくり考えればいい」(厚労関係議員)とする意見もある。新しくまとめる対策が具体化するまでには曲折もありそうだ。
▼派遣と請負 ともに非正規労働者の勤務形態の一種。派遣労働者は専門の派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業の指示で働く。一方、請負社員は請負会社と雇用契約を結ぶが、受け入れ先の企業は請負社員に直接指示を出すことができない。契約上は業務請負なのに、実際には派遣先の企業の指示で働く「偽装請負」や、雇用が不安定な「日雇い派遣」が社会問題となっている。
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