20090104 日本経済新聞 朝刊
日本経済新聞社が全国の二千人を対象に実施した「医療と健康に関する意識調査」では、回答した市民の半数以上が自己負担した医療費を「高い」と感じ、四割以上が「受診を控えた経験がある」と答えた。医療費を含む社会保障費をどう抑制するかが政府の重要な課題になっているが、一層の負担増を求めた場合、国民の反発を買うことが予想される。見直し議論が進む後期高齢者医療制度は「存続派」が「廃止派」を上回った。
過去一年間に自己負担した医療費は「ゼロから一万円未満」だった人が二三・九%。「一万円以上五万円未満」が最多の四四・一%。「五万円以上」を払った人は三〇・五%だった。自己負担額について「高い」「やや高い」と回答した人は計五六・三%で、半数以上が割高だと感じている実態が浮かび上がった。一方で「適当な水準だと思う」とした人も四〇・〇%に上っている。
政府諮問機関、社会保障国民会議(座長・吉川洋東大教授)の試算では、二〇二五年度の医療・介護費用は〇七年度の二倍以上にあたる約九十四兆円に達するとされる。
現行の三割負担を維持した場合、保険料が四十一兆円、国や地方の税金からの負担が三十九兆円、自己負担が十二兆円という内訳になる。このうち保険料と財政負担は経済成長を加味した場合でも、二五年度時点で十四兆円の不足が生じるとされる。試算は将来の保険料率や窓口での自己負担割合の引き上げには言及していないが、今後の議論で焦点になる可能性もある。
負担増に拒否感
今回の市民調査では、「自己負担割合を増やすとしたらどの程度まで容認できるか」との設問に八二・九%が「現状のまま」と回答した。「四割程度まで」が七・二%、「五割程度まで」が五・〇%にとどまり、引き上げを容認するのは少数派だった。
医療費の負担感は受診行動にも影響を及ぼしている。「医療費がかさむので受診を控えたことがあるか」との問いに、八・五%が「よくある」、三四・〇%が「ときどきある」と答え、計四二・五%が支払いを気にして病院に行かなかった経験があることを明かした。〇五年に日本経済新聞が実施した調査では、こうした経験がある人は三四・二%で、八・三ポイント上昇した。
こうした傾向は若い世代に顕著で、年齢が上がるほど受診を控える人は減少。六十代の六五%以上、七十代の七〇%以上がこの設問に「ない」と回答している。
自由回答欄に寄せられた記述では、自己負担の割合を引き上げることについて、「増やすことはNO」(七十代男性)と負担増を敬遠する意見が目立った。現役世代からも「一割程度にしてほしい」(三十代男性)など自己負担引き下げを求める声が複数寄せられた。「定額制にすべきだ」(五十代男性)や「負担増でなく、制度の改善で対応してほしい」(別の五十代男性)などの提案もあった。
将来の医療費抑制をにらんで今年度から導入された後期高齢者医療制度。制度の周知不足から保険料徴収をめぐる混乱などスタートからつまずき、見直しに向けた議論が進む。同制度は、七十五歳を超えた高齢者を既存の社会保険から切り離し、別枠の保険体制に組み入れており、現役世代の負担を軽減し、高齢者自身に保険料負担を求めた。
今回の調査では、「現行制度のまま存続すべきだ」が二〇・〇%、「見直して存続すべきだ」が一七・三%に上り、計三七・三%が制度存続を支持。「廃止すべきだ」とした三二・〇%を上回った。年代別にみると、制度存続を支持した人の割合が最も高かったのは七十歳以上の高齢者。男性の五四・三%、女性の五八・四%が「見直し」を含めて存続を求めた。
「廃止すべきだ」とした回答が多かったのは、現役と高齢者の間にいる五十代、六十代の中高年層。五十代は男性四〇・八%、女性三一・二%、六十代は男性四七・三%、女性三二・四%が制度に反対した。二十代の男女、三十代女性の四八%以上が「(どうすべきか)分からない」と回答するなど、若手世代は無関心なこともうかがえた。
民間保険加入60%
社会保障制度の“揺らぎ”に対応して、六〇%以上が「がん保険」など民間の医療保険に加入して自己防衛を図っていた。
民間保険に加入しているのは男性六二・五%、女性六一・三%。世代別の加入率は二十代では男女ともに四〇%以下だが、がんなどのリスクが増す三十代になると男性六〇・三%、六八・九%と一気に加入者の割合が増えた。働き盛りで、子供の学費などの出費を支える四十代男性では七七・八%が加入し、全世代の中で最高だった。
「あなたの余命はあと一年です。ただし、××円払えば健康な状態でもう一年だけ生存することができます」――。仮に医師からそう告げられたら「一年延長」にいくらまで支払うだろうか。市民調査では、「払わない」と回答した人が三二・八%で最多だった。
「百万以上五百万円未満」が二七・二%、「百万円未満」が二四・三%で続いた。「一千万円以上」でも払うとしたのは四・一%にとどまった。このうち「一億円以上」払うとの回答は全体の〇・一%。
「払わない」とした人の割合は世代間でばらつきがみられた。二十代男性、七十代以上の男女で四〇%を超えたのに対し、三十代女性、四十代女性、六十代男女で三割を下回った。
「払う」とした人も金額は五百万円未満に集中。期限付きの余命延長に大金を積もうという市民の意識はそれほど高くなかった。厚生労働省のある幹部は「日本人は病気にかかった場合、根治したいという願望が強い。健康な状態だとしても一年だけの延長に価値を感じる人が少ないのでは」と話した。
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