20090103 日本経済新聞 朝刊

 二〇〇九年の商品市場は、世界的な景気後退の影響を強く受け、年前半を中心に深刻な需要不振と価格低迷に見舞われそうだ。自動車や建設など幅広い分野でモノの売れ行きが鈍り、産業資材とハイテク製品の減産が進むだろう。原油をはじめとする資源価格は年前半の低迷が避けられそうにない。
 産業資材の価格は下げ基調が鮮明になる。需要低迷は年前半に深刻さを増し、少なくとも年央まで需給緩和が続きそうだ。メーカーの減産などの効果が出るには時間がかかるとみられる。
 鋼材の主力商品の一つである薄鋼板は世界的な自動車販売の不振で大幅に下落するだろう。ガソリンタンク向けのポリエチレン、バンパーに使うポリプロピレンといった合成樹脂のほか、板ガラスの需要も伸び悩む。
 建設需要も縮小が必至。マンションや住宅の販売不振が続き、建築会社は建材の買い控えを続ける。合板はメーカーが昨年初めから減産を続け体力を消耗している。コスト削減のため減産を緩める動きがあり、在庫は昨年秋から増え始めた。価格低迷が長引くのは不可避だ。
 セメント、建築用板ガラス、水道管に使う塩化ビニール樹脂も需要は減る。二〇〇九年前半の塩ビ出荷量は前年実績比で二割減程度に落ち込む見込みだ。需要の低迷は石油化学全般に及び、設備の統合を目的とした業界再編も現実味を帯びるだろう。
 金融緩和や住宅ローン減税といった政府の景気対策の効果が期待できるとすれば年後半か。その場合、先行して値下がりしたH形鋼は比較的早い時期に底値感が出る可能性がある。
 原料価格の動きも焦点だ。石化は昨年後半に原料ナフサが急落した影響で年初にも値下がりに転じる。だが原油価格が上向けばナフサも上昇、石化製品も値上がりする可能性がある。
 鋼材では高炉が主原料とする鉄鉱石と原料炭の〇九年度価格交渉は、中国の鋼材減産による需給緩和を受け大幅引き下げを軸に進む。電炉が主原料に使う鉄スクラップはアジア需要の急回復が望めず、一トン一万―二万円台の現行水準が中心になるだろう。
 印刷用紙は重油やパルプ、木材チップなど原燃料コストの下落で需要家からの値下げ要求が強まる。段ボール製品も昨年十月の値上げの根拠だった古紙相場の上昇が緩み、値下がりに転じる公算が大きい。


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